専門学校は基本的なビジネスマナーを教える必要がある

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先日、卸売りブランドと小売店とをマッチングさせる方にお会いしました。

近年、小売店各社はSPA化、自社製品比率を高めていることもあり、卸売り型ブランドは総じて伸び悩む傾向にあります。そんな中、その方は独立したばかりの若手デザイナーズブランドから支援要請が増えているとのことでした。

若手デザイナーズブランドもはっきり言うとその大多数が食えません。

理由は卸売りブランドと同様で、卸売り先の小売店が増えないからです。さらに通常の卸売り型アパレルブランドよりも商品の仕様が粗雑だったり仕入れ値が高かったりして、小売店側からするとまったく旨味がないからです。

そんなわけで何とかマッチングしてほしいという要請が増えているそうですが、その方によると、

「マッチング要請よりももっと基本的なことを支援してほしがっている若手デザイナーが多いのです」

とのこと。

「もっと基本的なこととは?」

と尋ねると

「企業窓口への電話のかけかたがわからない、とか、企業からの問い合わせメールへの返信の書き方がわからない、とかそういう基本的なビジネスマナーについて教えてほしいというものです」

とのことでした。

正直に言うと、

「そんな基本的なこともわからないままに独立しちゃうの?」

と驚きあきれるほかありませんでした。

こんな基本的なこともわからない人が独立したところで商品が売れないのは当たり前だといえます。

しかし、翻って考えてみれば、ファッション専門学校や大学で、そういう電話の受け答えやメールの書き方など習いません。

当方も25年前には大学で習いませんでした。もっとも25年前にはインターネットもEメールも存在していませんでしたが。(笑)

結局、電話での応対やEメールの書き方を習ったのは企業に就職してからでした。

そう考えると、ちゃんとした企業に就職するということはけっこう重要なことではないかと思えてきます。定年退職まで企業で勤め上げろとはまったく思いませんが、一度くらいは就職してみる方がメリットが多いのではないかと思います。

満足に電話もできない、メールも返信できないような人の商品を「わざわざ」仕入れたいと思う小売店はほとんど存在しません。

そのブランドに知名度があれば別ですが、独立したばかりということは当然無名なわけです。無名でありながら電話もメールも満足に返せないようなブランドと取引をしたいと思う小売店はまず存在しないでしょう。

そう考えると、ファッション専門学校はそういう基本的なビジネスマナーを徹底的に教え込む必要があるのではないでしょうか。デザイン学科学生だって「いずれ独立したい」と考えているなら基本的なビジネスマナーは必須になります。

こういうもっとも初歩的な部分からも現在のファッション専門学校の教育がいかに現実に則っていないかがわかります。大学にするだの、ナンタラの資格を取れるようにするだの、言う前に各ファッション専門学校はもっとやるべきことがあると思いますが。

 

 

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南 充浩
About 南 充浩 122 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】

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