自分がお客様だったらという勘違いは大間違い

「私がお客様だったら、販売員さんにはこうして欲しい。だから、こうする」

 

この考えは間違ってないけど、

お客様を「買い物にきた人」という広義でとらえる次元でしか通用しない。

目の前の一人称のお客様のことを考えるときは、この考えはかえって邪魔になる。

 

理由は、

お客様はあなたじゃないから。

 

 

初めての後輩は、かわいくて、お洒落が大好きで、素直によく頑張る子だった。

確か、他のアパレルで販売の経験もあった。

 

しかし、十分慣れた頃になっても、アプローチが遅い。

というより、ほとんどしない。

 

笑顔でいらっしゃいませは言うのに、

お客様からなにか言われるまで自分からは近づきもしない。

 

やる気が無いようには見えないので、理由を聞いてみた。

彼女はこんなふうに答えてくれた。

 

「私、買い物に行って店員さんに声かけられるの苦手なんですよ。

用があれば声かけるからほっといてって思っちゃう。」

 

…なるほど、わからなくもない。

自分がされて嫌なことは人にもしない、私もそうしつけられた。

 

当時、彼女は19歳。

お客様の中心層は20代後半~40代。

 

職業、生活スタイル、使えるお金、好み、接客されてきた回数、

コミュニケーション力、自分とお客様はすべて同じじゃないのに、

 

彼女はお客様の気持ちを自分の物差しで測って、

声をかけないことが思いやりのつもりでいた。

もっと言うと彼女は、

 

お客様も自分と同じということにして、

お客様ひとりひとりを見ていなかった。

 

 

もちろん、彼女と同じ感覚をもっているお客様もいることだろう。

タイミングよく必要そうなことを言えばアプローチはうまくいく。

観察して、本当に声かけが必要なさそうなら接客しないという接客もできる。

 

でも彼女は、

お客様ひとりひとりを感じようとしていなかった。

一見、接客されたくなさそうに見えても、

上手にアプローチしてみれば

 

買い物に来た理由を話したくてしょうがないお客様、

たくさんおしゃべりして時間を楽しみたいお客様、

今日は買えないけどしっかり下見をしたいお客様、

なんだか最近太ってしまってファッションが楽しめないお客様、

 

色々な方がいる。

 

大切なことは、観察すること。

観察して想像して、接してみて確認する。

 

 

お客様はあなたじゃない。

 

 

お客様の気持ちをわかるには、よーく観察してお客様を精一杯感じてみて。

憑依するくらいに。

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森野 咲
About 森野 咲 43 Articles
1979年横浜市生まれ 販売員歴17年 現在、フリーランスの販売員。 TopSellerブログ火曜日担当。 たまに空間コーディネート業。 たまに業界誌に寄稿。 幼少期はお花屋さんかケーキ屋さんになりたかった。 職歴は、国内大手SPA婦人服・雑貨店舗にアルバイト→契約社員→正社員と進み、店長3年、統括店長4年。統括店長時代に、垣根を越えた生産性の最大化の方法を提案し社長表彰を受ける。 シアトル系カフェチェーンにてアシスタントマネージャー2年。外資系の育成法とサービスを学ぶ。 震災を機に、もう一度洋服屋の販売員を志し転職、某セレクトに入社、5年ほど勤務。アウトレット店にてメンズを担当、インポートからオリジナルまで、売れ残り商品の顛末を知り、モノをカネに変えることの難しさを知る。コレクションブランドのトランクショーのヘルプ、プロパー店のイベントヘルプ、物流センターの業務なども関わり、新店OPEN時にはスタッフ育成に出向く。 35歳のとき年齢面で販売員を諦めて一旦退くが、ふとしたことで派遣社員として某ラグジュアリーに配属。3か月後にはショップ内売上No.1、派遣でありながらも受注会の顧客アテンドを経験。 この頃、twitter上でTopSeller主宰の四元氏と出会う。東京駅地下で四元氏とおうどんを食べながら、独立する決意をした。

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