ボヤボヤしているアパレルはドン・キホーテに喰われてしまう

アパレル業界の人はあまり注目していませんが、ドン・キホーテはダークホースになりそうです。
そうです。あの「驚安の殿堂」です。

ドン・キホーテの2016年6月期連結決算は、売上高が売上高が7596億9200万円(前期比11・1%増)、営業利益は431億8600万円(前期比10・4%増)とかなりの好決算です。
店舗数は今年6月末時点で341店舗にまで増えました。

基本的にはドン・キホーテにはほとんど立ち寄らないし、いまだに買い物をしたことがありません。
ですから、今まできっちりとした売上高を把握していなかったのですが、てっきり売上高は1000億円くらいじゃないかと侮っていました。
それが7600億円弱にまで成長しています。

ドン・キホーテは衣料品、ブランド品、雑貨、食品、家電などさまざまな商品が売られています。

多くの人はブランド品や雑貨、家電などに目を奪われていますが、実は衣料品もバカにはできない売れ行きを見せていたのです。

今夏はチャンピオンというスポーツブランドのロゴ入りTシャツが大ブームとなりましたが、今夏のブームが到来するまで、チャンピオンブランドのアパレル製品を最も販売していた店はライトオンとドン・キホーテだったそうです。

好き嫌いは別としてカジュアルブランドウェアが強いライトオンが販売数量トップであることは容易に理解できますが、ドン・キホーテはそれに並ぶほどの売れ行きだったというのは驚きです。

ただし、売れている商品内容がまるで別で、ライトオンはロゴ入りのTシャツやスエット、ドン・キホーテはロゴ入り・ライン入りのジャージ上下セットだったと言いますから、客層がまるで違うことがわかります。
ライトオンの客層は通常のカジュアル好き、ドン・キホーテの客層は地方や都心のマイルドヤンキーだということができます。

しかし、客層の違いはありますが、特定のブランドについては、ドン・キホーテがすでにライトオンと並ぶほどの売れ行きにまで成長しているということに驚かされます。

実はドン・キホーテも肌着などの一部アパレル製品は自社企画商品を出しています。
価格が安いわりに品質はそれほど悪くありません。

2009年にジーユーが990円ジーンズを発表したことがあります。
するとイオンやイトーヨーカドー、西友などの総合スーパー各社が追随して1000円以下の激安ジーンズを相次いで投入して、ちょっとした激安ジーンズブームになりました。
メディアは衣料品に詳しくありませんから、こういう価格競争とか販売数量競争には素早く飛びつきます。

で、いくつかのメディアが激安ジーンズの品質比較を行って、ぼくも意見を述べました。
その中で意外に高評価だったのがドン・キホーテのジーンズでした。低価格ゾーンではありますが、すでに6~7年前に自主企画製品の品質では高評価を得ていたのです。
その後、社内で大きな人事異動や組織改悪がなされていなければ、衣料品への取り組みはもっと進歩していると考えられます。

おまけにマイルドヤンキー層に向けたブランド衣料品の販売力も大幅に伸びています。

業界の人は、嫉妬と妬みでユニクロやジーユーにばかり目を向けがちですが、ひっそりとこっそりとドン・キホーテは衣料品においても力を蓄え続けてきました。
現在、341店舗ありますから、各店に100枚ずつ配布するとして1型で34000枚以上の衣料品が企画製造できます。

この規模に匹敵できるアパレルブランド、アパレルショップが現在の業界にどれほどあるでしょうか?
大量生産すれば製造コストが引き下げられるだけでなく、品質も安定します。
そう考えるとドン・キホーテの販売力、企画生産能力は凡百のアパレル企業を大きく上回っている可能性が高くなっています。

ユニクロやジーユーにばかり目を向けていると、ドン・キホーテにまで足元をすくわれることになりかねないと個人的には見ています。
みなさま、お気を付けください。

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南 充浩
About 南 充浩 47 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿

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