新卒初任給が上昇している本当の意味

ここ数年、販売員の新卒給与水準は上昇の一途を辿っています。僕が専門学校の学生だった頃は大手SPAの正社員で初任給が額面17万円前後ってところでした。それが現在では軒並み19万~20万程度にまで上昇。アパレルの他の職種と比較しても遜色ないくらいです。需要と供給の問題で、販売員を志す人材が少なく企業側としては給与を上げざるをえないというところでしょうか。働きだしてからの上昇率はまだ大した事ないかもしれませんが。。

特に初任給が高い企業を二社ピックアップしますと、

(株)TOKYO BASE (初任給25万円)

(株)ストライプインターナショナル (初任給23万1千円

上記2社。特にTOKYO BASEでは渋谷手当なるものまで付いており、渋谷に住めば最大で初任給が28万円です。IT系の大手と変わりませんね。これを聞いてファッションを志す学生さん、もしくは今現在アパレルで働いている方々はどのように受け取るでしょうか?

「自分たちの給与も上がるんじゃないか?」

「アパレルも給与水準上がってきてるからチャンス?」

あながち間違いではないです。

「優秀な人材」

に限り。

 

高い給与を与えるという事はそれだけ要求される事も高度になる

僕の教えている学生さんでファッション業界に夢を見れない理由の一番は、

「条件が悪い」

という事です。それよりは楽してもっと給与が高い職場があるんじゃないか?なんて思っています。はっきり言いますと、そんな思想ではどこへ行っても同じでしょう。なぜなら給与水準が高い業種というのはそれだけ高度な事を仕事で要求されるからです。給与が安いという事は「誰でもできる」仕事なんです。

つまり企業が給与水準を上げるという事は、

「その金額に見合わない働きの人材は採用しない」

事の裏返しです。

上記2社を見てみますと初任給の最高額は大卒が前提です。この時点で専門・短大卒は振り落とされます。そちらの方が優秀な人材の可能性が高いからです。実際に優秀かどうかではなく、あくまでも可能性の問題です。大卒の方が優秀な人材である可能性が高いとの判断でしょう。

そして今度はその大卒者の中でも振るいにかけられます。今までアパレルに見向きもしなかった人材が高額な所得と上場企業という知名度を活かし、どんどんと優秀な人材を獲得しようとしてくるでしょう。※TOKYO BASEは東証マザーズ上場。ストライプインターナショナルは上場準備中との噂。

つまり、着々とファッション、販売というお仕事が「誰でもできる」仕事じゃなくなってきてるという事です。既に雇用されている社員の給与もベースアップされるという事ですが、これから入ってくる人材が優秀であればある程、自分たちのポジションが脅かされます。

 

徐々に高くなる販売員の参入所壁

過去、ファッション業界は給与水準が低く、労働環境が悪くとも「憧れ」だけで希望者が多かった特殊な業界です。しかしこれからは適正な競争に入る前触れといっていいかもしれません。参入障壁が高く、誰にでもできないあなたにしかできない職業。そこには「優秀な人材」である事が前提になるでしょう。

将来的に「ショップを運営したい」「ブランドを立ち上げたい」。その為にはまず、販売員を経験しMDに上がって、、、。そういうプランを描くのは勝手です。しかし、その為の準備はいつどの程度やっているというのでしょうか。今のままでは入り口である「販売員」になれない人が続出します。

ソーシャルゲームばっかりやってる場合でなく、自助努力しないと生き残れない時代がもうそこまで来ていますよ。

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深地雅也
About 深地雅也 51 Articles
ラグジュアリーブランドのリテール管理と全国セレクトショップへのホールセール担当を経て、起業。高級衣料品、ミセス、ヤングカジュアル、などの経験を基に、ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。

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