どのタッチポイントを選択するかは顧客が決める

売り上げより戦略

ある個店専門店を取材した時のこと。30代の姉妹が運営している店で、SNS(交流サイト)で人気のブランドを取り扱っていながら、ECも立ち上げず、インスタグラムでの発信も不定期だったのが気になった。その訳を、「全部見せちゃったら、新鮮さがないじゃないですか」という。いまや個店でもSNSでの頻繁な情報発信は当たり前、ECも必須かと思っていただけに、デジタルネイティブ世代がそう言うことが意外だった。「今ってネットで調べつくして何でも目的買い。それってつまらない。うちは店に来て、初めて見るものにワクワクして欲しい」と言いきる。 唯一伸びているECを成長させようと、どこも躍起になっている。しかし、そもそも自分たちは客に何を提供したいのか、どう満足してもらいたいのかが明確でないと、ただ横並びをまねただけになってしまう。先ほどの個店は、今の情勢と真逆のスタンスをとっているが、自分たちが大事にしたいことが明快だ。いかに売り上げを伸ばすかより、その戦略を見極める方が先だと思う。

上記、繊研新聞の記事より抜粋。色々と突っ込みどころ多すぎるのですが、まず

 

ECは目的買いばかりなのか?

という事。まずはこれが大きく間違っています。もちろん目的買いの人もいますが、結構な割合でみなさん色々と回遊されています。雑誌感覚で記事を読み、そこから商品のリンク先にとんで買い物したり。。

つまりこれってただの商習慣の変化な訳です。今まで店舗やカタログでしか商品を知る事ができなかったものが、今やECやソーシャルメディアでも確認できるようになった。このブログで何度も同じ事を言ってますが、これがオムニチャネルの考え方です。

ファッションは自己満足ですが、ファッションビジネスは顧客満足が必須です。タッチポイントを選ぶのはあなたではなく顧客です。あなたの顧客がそれを望んでいれば問題無いのですが、これから商習慣の変化はもっと起こってきますよ。

 

ECモールを親と一緒に利用する10代

10代女子がファッションの購入で利用したサイト1位は「Amazon」[プリキャンティーンズラボ調査]

「ショッピングモール」と答えた回答者に、ファッションアイテムの購入で利用したことのあるサービス名を聞いたところ、「Amazon(71.9%)」、「楽天市場(61.8%)」が6割超となった。同じく利用したことのあるフリマアプリについては、「メルカリ」が95.4%となった。

中略

「親と一緒に選ぶことが多い(58.0%)」が最多となった」

こちらの記事によると、とっても意外な事に10代女子の一番利用するECサイトがなんとamazon。amazonなんておっさんの利用するECサイトかと思いきや。。そして注目すべきはその下の「親と一緒に選ぶ」です。これを見た時、幼少期、親と一緒にGMSに行って欲しいものを買ってもらっていた光景を思い出しました。今はこういった形に変化しつつあるのでしょう。

 

顧客のタッチポイントを考える

ECやソーシャルがワクワクしないと思うならそういう仕掛けをすればいいのです。最近のECは売るだけでなく、読ませるコンテンツが充実しています。ECが唯一伸びているから躍起になる。そういった企業もあるでしょう。しかし、本当に理解しなければならないのは顧客動向。ECをメインにお買い物する人、店頭を選択する人。どちらにせよ顧客のタッチポイントを充実させる事がサービス提供者側のすべき事ではないでしょうか。ラグジュアリーブランドは全てのタッチポイントを充実させようとしてますよ。ルイヴィトンがLINE公式アカウント作成したくらいですから。

そして「いかに売り上げを伸ばすかより、その戦略を見極める方が先」ではなくて、売上を伸ばす為に戦略を考えるのです。売れなければどんなブランドも継続できません。あなたが大切にしたい顧客を継続的に満足させたいなら、どうやったら顧客に満足してもらえるかをメインに考えましょう。

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深地雅也
About 深地雅也 155 Articles
株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。