「体験を売る」ってこういう事か!と気づかされる「A.P.C.」の幼稚園

「A.P.C.」が生み出した新しい幼稚園「A.P.E.」の自由でクリエーティブな幼児教育とは?

フランスのファッションブランド「A.P.C.」が2008年にスタートさせた新しいコンセプトの幼稚園「A.P.E.(Ateliers de la Petite Enfance)」。ヨーロッパの中でも高い出生率を誇るフランスで、北欧の自由でユニークな幼児教育に着眼し、独自のメソッドで子どもたちがのびのびと知的好奇心を育める環境を提供する同園は、パリで唯一の”オルタナティブスクール”として非常に注目を集めています。現在では口コミで噂が広まり 、毎年何十人ものキャンセル待ちが出ているそう!

ファッションブランドが幼稚園を運営しているというちょっと珍しい事例があったので取り上げてみました。「A.P.C.」の代表 ジャン・トゥィトゥーさんの娘さんが通園していた幼稚園から

「もっと子どもがのびのびと学べる理想の幼稚園を作りたい」

との提案があり、ジャンさん自身が幼稚園設立の費用を出資するところからスタートしています。A.P.C.の空き店舗を利用というのもきっかけになったようです。今回はこの記事について個人的な見解をお話させて頂きたいと思います。

 

A.P.C.の知名度とブランド力で集客?

まず考えられるのは信用力。ブランドの名前があるだけでユーザーに与える信用が担保されます。特にそのブランドを好きなユーザーであれば進んで入園を希望するでしょう。プロジェクト名も「A.P.E.」とA.P.C.と文字っているところからそういった狙いがあったのではと予測できます。

 

体験がブランド力を向上させる

では幼稚園側はどうか?もしこれが粗悪な教育を施しているのであればブランドの名前に傷がつき、服までもが売れなくなるでしょう。逆にここで素晴らしいサービスを提供する事ができればブランド力の強化につながります。

A.P.C.とボントンが子供向け新ブランド立ち上げ

A.P.C.には子供服のラインもありますからシナジーありそうですね。職員の制服をA.P.C.が作ってしまっても面白いかもしれません。そして事業自体がクリーンで社会貢献につながる事からCSRとしても捉える事ができるでしょう。

CSR … 企業が倫理的観点から事業活動を通じて、自主的(ボランタリー)に社会に貢献する責任のことである。(wikipediaより)

ファッション系の記事ではよく、「体験を売る」とか「コト消費」を重要視するものが多いのですが、それに対する企業のソリューションは単純に飲食に手を出すケースがほとんど。この幼児教育もブランドが提供する体験と言えるでしょうけど、これってブランド価値を向上させる秀逸な事業なのではと思った次第です。巷に溢れるブランドの多くはぼやっとしたコンセプトしか無く、そもそも「ブランドが提供する価値」が何なのか自分たちでもよくわかってないのでは?と思います。それがわからなければサービス内容がぶれますし、ブランド力も向上しにくい。自分たちのブランドが提供する価値はこれ!という明確な打ち出しがもっと欲しいものですね。

アパレル各社は単純な飲食展開に終始せず、自分たちのブランドだから提供できる体験を真剣に考る必要がありそうですね。教育者の端くれとしても非常に気になるニュースでした。

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深地雅也
About 深地雅也 155 Articles
株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。