開催時期をいじっても東京での仕入れは増えない

先日で「Amazonファッションウィーク東京」が閉幕しました。開催時期については毎回異論が続出します。

今回は「もっと早い時期に開催してはどうか?」という意見があるようですが、過去(そのときのスポンサーはAmazonではない)には早い時期に開催したこともあったのですが、その時も不評でした。

極端に言ってしまうと、早くしても遅くしてもどちらにしても成功に導くのはほぼ不可能なのです。

なぜなら、日本のファッション関係者は欧米のコレクションを中心にビジネスの基準を考えているからです。東京の開催時期を早くしよう・遅くしようという議論の根本にも欧米のコレクションとの兼ね合いがあります。

今回「開催時期を早くしよう」と主張している人々の根本には、「欧米のコレクションで国内バイヤーはほぼ仕入れ予算を使い果たしているから、東京での仕入れが少ない。だから、欧米よりも早く開催してバイヤーの仕入れ予算を多くもぎ取ろう」という考えがあります。

その考え方は昔からあり、過去に何度か開催時期を早めたこともありました。しかし、結局早い時期での開催は定着せずに今に至っているのです。

どうして早い時期の開催が定着しなかったのかというと、思ったほどには東京での仕入れは増えなかったからです。

欧米よりも早く開催すれば仕入れ予算は潤沢にあります。ですから東京での仕入れが増えると考えられます。しかし、それは机上の空論にすぎないのです。

開催時期を早めたときに、どのようなことが起きたかというと、国内のバイヤーたちはほとんど仕入れなかったのです。どうしてでしょうか?

バイヤーたちは「欧米のコレクションを見てから決めたい」という理由で東京での仕入れを増やさなかったのです。ですから時期を早めようと遅くしようと、東京での仕入れ額はほとんど増えません。あと何十年経ってもそれは変わらないでしょう。

結局、バイヤーを含め、ファッション関係者が欧米崇拝を続ける限り、この状況は変わらないのです。ステュディオスのような国内ブランド重視のセレクトショップやチェーン店が多数出現しない限り、東京での仕入れ額が劇的に増えることはありません。

 

最近、日本のブランドが積極的に海外の展示会に出展することが増えました。もちろん海外への販売が目的ですが、日本のバイヤーに見てもらうという目的も何分の1かは含まれています。日本で開催してもバイヤーはなかなか来ません。しかし、海外の展示会には日本のバイヤーは能動的に足を運ぶのです。ですから、日本のバイヤーを捕まえるために海外出展するというブランドは少なくありません。

これも欧米崇拝の弊害です。

残念ながら、これが現実なのです。

ですから、東京での仕入れを増やしてもらうためには、開催時期を早くするとか遅くするとか、そんな小手先の変化は無意味なのです。もっと根本的に何かを変える必要があります。

それが何なのかはぼくにもわかりませんし、明快な答えを持っている人もあまりいないでしょう。なかなか難しい問題ですが、全員で考えていかなくてはならない問題だといえます。

 

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南 充浩
About 南 充浩 47 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿

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