こんなはずじゃなかった…!販売員が陥る不都合な真実

PIRO4D / Pixabay

こんにちは、森野です。

新入社員の皆さんは、やっと周りの人たちの名前と顔が一致するようになった頃ではないでしょうか。

一年目は、まずは職場に慣れて、仕事を覚えて、ちょっとしたことに一喜一憂して、いやぁ自分よく頑張ったな!なんて自画自賛したりして、それはもうあっという間ですよ。

ベテラン販売員の皆さまは、思い出してみてください。

販売員になってすぐ、商品に触わるときの力加減すら分からなくて緊張したあの頃を…

自分よりファッションに詳しいお客様の接客が怖くて、そっとフェードアウトしたあの頃を…

すべてが初めてで、ひとつひとつ一生懸命だったあの頃、懐かしいですね。
今はどうですか?あの頃より、色々とうまくいっていますか?

販売員の承認欲求を満たすためだけの接客シナリオはゴミ箱へ

アパレル販売員の皆さんに問いたいのですが、あなたは、店頭での接客シーンに「理想の展開」を描いていますか?

いらっしゃいませの挨拶に、お客様が柔らかい表情と軽い会釈で返してくれて

ファーストアプローチからテンポよく会話が成り立ち

こちらの提案に、お客様が多少の驚きとともに喜んでくださって、満足気にお買い物の時間を過ごされ

「ありがとう、おかげでいいものが買えました!また来ますね!」と笑顔で帰られるお客様をにこやかにお見送りする

あるとしたらこんな感じでしょうか?

…はい、気分いいですよね、販売員は
存在意義感じますよね、販売員は
そういう流れロープレでも求められますよね。こういう接客が素晴らしい、と。

でも実際どうですか?

喜怒哀楽の表現スキルの高いお客様はそう多くない

理想の展開に乗ってくれるお客様、そんなにいませんよね?だいたいそんなにテンション高くないし。演者じゃないし。

では「理想の展開」ではなかったけど買ってくれたお客様をしっかり見てみてください。

うれしくなさそうですか?
無愛想でも、最後にちょこっと頭を下げてくれたり、わずかだけど口角上げてくれたり、納得した様子はなさそうですか?
今日来てみてよかったなって、これっぽっちも思ってなさそうですか?

どうですか?

意外と、そういう
満足の様子を垣間見せてくれるお客様は多くありませんか?
これじゃダメなんでしょうか。
お客様は、ちゃんと満足してくれてる。
そういう姿を見逃したり、当たり前だと思ったりしていませんか?

前述の「理想の展開」が理想になったのは、いつからでしょう。アパレル販売員初日には思っていなかったはずです。こういう展開だと「いい接客」をしたことが自他共に分かりやすいし認めてもらえるし、自分の気持ちがいいから、いつしか「理想」になったのではないでしょうか。

喜んでもらいたいのか、喜ばれた自分に満足したいのか

お客様に注目することを忘れ、販売員自身の承認欲求を満たすことが勝ってしまうと、あとでお客様がたとえ「あー、楽しそうに振る舞うの疲れた…」なんて思っていたとしても気がつく由もないですよね。

そんな、よくできたロープレみたいな展開がそうそうないことくらいもう分かっているはずです。

最近接客にやりがいを感じない、なんていうアパレル販売員の方は、理想の展開に付き合ってくれるお客様に当たっていないからかもしれませんね。

例えるなら

新婚カップルの奥さんが旦那さんを喜ばせようと、内緒で凝った手料理を作って帰りを待っていたのに、旦那さんは急な接待でお腹いっぱいになって帰ってきちゃって、奥さんご立腹、みたいなね…。

奥さん、それはあなたの勝手ですよ、っていうね。
ここでご立腹なさるのは、旦那さんを喜ばせたい気持ちより、喜んで食べてくれる姿を見て満足したい気持ちが勝っているから。思い通りの展開にならず、それはそれはがっかりでしょう。でも、旦那さんはそんなこと知らないから、仕方が無い。

もっとお客様をよく見てみませんか

話を戻します。
お買い物を楽しんでいます、満足しています、という表現方法にレールを敷かないで、お客様の機微にもっと敏感に、もっと簡単に喜んでみてはいかがですか。

お客様の満足のしかたや表現方法は自由です。だからそれをどうか見逃さないでください。お客様なりに、不器用でも、気持ちを伝えてくださっているかもしれません。

そして、ひとつだけ動かぬ事実があります。
それは、あなたがどう思っていようと、お客様はあなたから買った、ということ。

あなたが働いて得ているのと同じ、お金を使って。

素直によろこんで
いいと思いますよ。

 

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森野 咲
About 森野 咲 43 Articles
1979年横浜市生まれ 販売員歴17年 現在、フリーランスの販売員。 TopSellerブログ火曜日担当。 たまに空間コーディネート業。 たまに業界誌に寄稿。 幼少期はお花屋さんかケーキ屋さんになりたかった。 職歴は、国内大手SPA婦人服・雑貨店舗にアルバイト→契約社員→正社員と進み、店長3年、統括店長4年。統括店長時代に、垣根を越えた生産性の最大化の方法を提案し社長表彰を受ける。 シアトル系カフェチェーンにてアシスタントマネージャー2年。外資系の育成法とサービスを学ぶ。 震災を機に、もう一度洋服屋の販売員を志し転職、某セレクトに入社、5年ほど勤務。アウトレット店にてメンズを担当、インポートからオリジナルまで、売れ残り商品の顛末を知り、モノをカネに変えることの難しさを知る。コレクションブランドのトランクショーのヘルプ、プロパー店のイベントヘルプ、物流センターの業務なども関わり、新店OPEN時にはスタッフ育成に出向く。 35歳のとき年齢面で販売員を諦めて一旦退くが、ふとしたことで派遣社員として某ラグジュアリーに配属。3か月後にはショップ内売上No.1、派遣でありながらも受注会の顧客アテンドを経験。 この頃、twitter上でTopSeller主宰の四元氏と出会う。東京駅地下で四元氏とおうどんを食べながら、独立する決意をした。

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