数字の見方で見えてくる事実は変化する

数字の切り取り方で事実が見えなくなることがよくあります。その原因の一つにはマスゴミ、いや、マスコミによる恣意的な切り取り方にあるのですが、それに惑わされてはいけません。

業界ネタからは離れますが、妊産婦の年間死亡者数が50人台から下がらないとい報道がありました。「50人以下に下げられないことに問題がある」という論調ですが、果たしてそうでしょうか?

出生率の低下による少子化とはいえ、毎年、100万~120万人の新生児が生まれています。当然、母親もほぼ同数(双子や三つ子もあるから)であり、妊産婦も少なくとも100万人はいます。100万人中の50人ということは、死亡者数はかなり少ないといえます。比率でいうと0・005%にしかなりません。

これはかなり、各医療関係者が努力しているといえます。

逆にゼロ水準を実現するのは不可能でしょう。この世界にゼロリスクは存在しませんから。

業界ニュースでもこういう「数字のマジック」がいたるところに溢れています。

ちょうど一年前に沸き起こった「ユニクロ失速、一人負け」という論調は当時から違和感がありました。

ファーストリテイリングの20168月連結は営業利益が226%減、税引き前利益が501%減だったので、これを指して「一人負け」という報道がなされました。他方、しまむらやライトオンは増収増益が2期続いていたから、そういう報道になったのです。

しかし、それは事実でしょうか?

22・6%減益というと減益幅はたしかに大きいですが、ファーストリテイリングの営業利益額は1272億円もあったのです。これほどの多額の営業利益額をたたき出しているアパレル企業は国内にはありません。

一方、「復活」「勝ち組」といわれた、しまむらやライトオンはというと、それまでの連続減収から増収増益に転じましたが、しまむらの売上高はファーストリテイリングの3分の1以下にすぎませんし、ライトオンはピーク時の売上高1000億円をいまだに回復できず800億円台をウロウロしています。

またライトオンは今期の決算では減収赤字に転落しています。

メディアは、「金額」を度外視してその増減率だけで評価をしているのです。

このほか、市場規模が拡大しているEC市場(Eコマース)についてもメディアや業界は考え違いをしている可能性があります。

2015年のEC市場規模は約14兆円で10年間で5倍くらいの成長を遂げたことになります。この「市場規模5倍」を過剰にクローズアップして、EC強化を勧めているわけですが、出店者数を考慮していません。

永江一石さんは、EC出店者数は10年間で数十倍~数百倍に増えたと指摘しておられます。

売上高が5倍に増えても競合が数百倍に増えたのなら、それはブルーオーシャンではなく、レッドオーシャンです。

逆に言えば、競合が数百倍に増えたから市場規模が5倍に増えた、または、競合が数百倍に増えてやっと市場規模は5倍に増えることができた、ともいえます。

EC参入は必要不可欠ですが、無策で飛び込で成功する可能性はゼロという状況です。

このように、数字の切り取り方で事実が隠されており、それに踊らされることがないように気を付けてください。

こちらからは以上です。

 

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南 充浩
About 南 充浩 51 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿

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