ファッション業界との関わり方は選べると思う

先週は大阪、少しだけ東京に戻り、いま北海道にいます。

私はフリーランスなので会社員の時ほど組織や会社に左右されることなく行動できますし、自分でスケジュールを組んで動くことが基本です。それはそれで簡単ではなかったりするのですがその話は置いておいて・・・・。

「働き方」に関する内容は、多くのメディアや業界で取り上げられていますが、ファッションアパレル業界は学校での教育なども浸透しておらず、ちょっと遅れをとっている印象があります。

卒業した学生が、上司・教員たちの「三年は・・・」の言葉が心に刺さっていて辛いのに辞められず体を壊すまで働いたり、デザイン科を出たからデザイナー、パタンナーの勉強をしたからパタンナー、などそこまで単純ではなくともある程度視野が狭まる傾向があるように感じます。

 

もちろん

デザイナーになりたい!

販売をしたい!パターンを引きたい!

 

自分の目標を追って自己実現していくのは絶対に楽しいですし、やりがいもあるのでそのまま突き進んでいこうぜ〜という気持ちなのですが、働き方が無数にあることと、意外とそのスキルはたくさんの場所で活かせるということ、そしてファッション業界と他業界の垣根は日々なくなっていっているということを知っておくだけで、少し気持ちが楽になったり、未来が明るく見える人がいるんだなあとここ数年で知ったので、ここで書いてみようと思いました。

 

「服を作ること=ファッション企業」?

 

アパレル・ファッションの主要ビジネスと言えば製造小売業という感覚があるのですが、最近はそれだけではどうも難しい時代になりました。

ファッション業界を見渡せば一目瞭然かもしれないのですが、若者の気持ちをぐっとつかめる企業とそうではない企業の違いが歴然と出ていますし、その差がなんなのかというのは10歳20歳年上の取締役よりもひょっとしたら私たちや皆さんの方がずっとわかるかもしれない。

ファッションはトレンドを意識した「物売り」から生活を意識したものへと移り変わり、日常を「ハレ」の日にするような雑誌の見出しが多く見られます。そしてその感覚の中で今を生きてる人間にしか、いまを生きてる人間のニーズは理解できません。

つまり、皆さんの感覚を必要としている企業はたくさんありますし、その感覚は確実に武器になるといえます。

「いまどきの若い人は・・・・」というワードが出た瞬間、それを発した本人が今時の流れについていけていないということを少し先を歩く私たちは肝に銘じなくてはなりません。

zozo・メルカリ・インスタグラムなどそれ以外にも購買に繋がっていると考える競合となるサービス、業界について「触ったことも見たこともない」では、それを毎日触って見ている人たちの気持ちになろうなんていうのは甚だ無理な話です。

要するに「今」の流れの中で生きている新卒や若い層はそれがそもそも武器になりうるということを、覚えておいてほしいなと思います。

ただただ「服」がほしいと思った時に、まずお店をぶらぶらしよう!と思いますか?

今流行りのものはなんなのかを店頭で探しますか?

まず触るのはスマホで、アプリを立ち上げませんか?

もうファッションに関わることは、「作って、売る」だけではなくなっているのは、ミレニアル世代の皆さんのほうがずーーーっと肌で感じているはずです。

少し上の世代にいくと、服を買おうと思ったら「都心に出て、試着をしてたくさん歩いて、重たい荷物を持って帰って」という消費をしてきたわけです、そういう人たちが今の状況をどう思うか、その中で成功した人たちがどう感じるかも一度考えてみてほしいなあと思います。

 

 

働き方は、選べる。

 

資本家と労働者の関係については、カール・マルクスの資本論やあらゆる現代の投資家も言及していますが、「労働者は搾取されつづける」というワード(やそれに近しいもの)は確かにあります。

わたしがフリーランスになったのは、単純に「ファッション業界は最先端でいなくてはならんのに、なんでこうも最新技術に疎く価値観が前時代的なのか」という疑問を外から眺めてみたい・海外と見比べてみたいという欲求からでした。

フリーランスになればいい、起業すればいいということが言いたいわけではないのですが、ただ会社員でいることだけが働き方ではないという時代になっていることは確かで、様々な「労働」への取り組みに視野を広げてみてください。そうするだけで少し他の業界に目が行くかと思います。

「学校が教えてくれない」というのも一理ありますが、学校が全知全能かというと人間が作ったシステムなので老朽化していきます。それを刷新するのも簡単ではないんです、今は2年、3年サイクルで常識がひっくり返る可能性がありますから。もちろん学校も進化を遂げている場所もあります。時代の流れが早くなった分、「自己責任で考え、選ぶ」というのが必要な世代であることは確かです。

しかしそのツールは用意されています。

SNSで個人が発信できて、すぐに繋がれる。仲間を集めて、何かを始められる。

ハッカソン、勉強会、webメディアのイベント、などSNSから現実の場の垣根もほぼないです。

働き方・業界との関わり方は無限に広げられます。

ちょっとそういう視点をいれてみるだけで違った角度から業界を見れるかもしれないなあと感じました。

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中溝 雪未
About 中溝 雪未 69 Articles
1990年生まれ。コレクションブランドの企画室でインターンからデザイナーアシスタントとして勤務。その後アパレルブランドで布帛・ニットをはじめとするデザイナーの経験を積み独立。現在フリーランスとして企画・デザイン・パターンを担当。 プロダクトアウトなものづくりからマーケットインまで、偏らないバランス感覚を武器に、コンセプトメイクからお客様に届くまでをディレクションするプランナーとして業界を問わず活動中。