プロとアマの境界線はない

SNS黎明期からずっと続くプロとアマの境界線についてのお話。

世の中ではすっかりインスタジェニック!フォトジェニック!という言葉が定着しましたよね。インスタグラムの台頭、そしてカメラのデジタル化により、プロとアマの境界線がわかりにくくなっているという話が、ここ数週間盛り上がっています。

写真ほどではないにしろ、服やアクセサリーにもその傾向が出てきていますね。

minnneは当初「ハンドメイドの仮想モール」と言われていましたが、クリエイターたちがminnneから飛び出してクリエイターズマーケットに出店。個人で作って販売するので単価も安くて手を出しやすいというのもあります。minnneのクリエイターズマーケットの協賛には、生地メーカーのKOKKAさんや文化出版局などが名を連ね、協力企業にはCChannelまで。

インフルエンサーマーケティングをはじめ、世の中の売り買いの経路が多様化する中、プロとアマの話を考えてみました。

 

そもそもプロとアマに境界線ってありました?

 

写真に関していうと私自身はプロモーション系の仕事に関して、「機材を使いこなせる人々」その中でも、プロもしくはプロになりたいと思っている人にしか仕事は振らないので、プロになりたいと思う人たちを「素人」と呼ぶのなら同じようなことをしているかもしれません。

なのでアマに駆逐されていくプロというよりは、単に参入障壁が低くなったため昔に比べてレッドオーシャン化した。という程度に認識は止まっています。

服に関して言うと、「写真を撮る」よりももうひとつハードルがあるというかパターンを起こすなど、そういうノウハウが必要なのと、何と言っても商売としてのリスクが写真やwebデザインに比べて高めなこともあって、「個人」での参入はしにくい状態ですし、爆発的に番狂わせを起こすのはまだ「企業」が多いと思います。

(そこをさらにクリアにするサービスを作る人が現れるのは時間の問題かもしれませんが)

個人的には結論は出ていて、プロとアマに境界線がなくなったというより、国家試験がない分野ではそこにもともと明確な境界線など存在しないし、アマチュアの市場においてプロもアマも入り乱れているという現状はあるので、minnne(をアマの市場とするなら)などではアマの場所をプロ(元企業パタンナー、窯元など)が食い始めている現象を見ます。

そもそもminnneはC to Cマーケットなのでアマチュア市場とは定義されていないということもお忘れなく。

 

 

「変わらない」ことが敗因となる

 

進んでいる方向が進化も退化もわからないスピード感があるこの時代において、「時代に合わせて変化させること」という一番大切なことが一番難しくなったような気がします。

3年後、5年後に何が生まれているか、考えたことはありますか?

プロでもアマでももちろんですが、自分の持っている手札を使って時代にフィットさせていくという柔軟性こそが鍵となる時代になったのかなと思います。

めまぐるしい時流の中でフレキシブルに対応できない種から絶滅するという動物界の原理みたいだなあと、資本主義の中で思ったのでした。

 

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

中溝 雪未
About 中溝 雪未 69 Articles
1990年生まれ。コレクションブランドの企画室でインターンからデザイナーアシスタントとして勤務。その後アパレルブランドで布帛・ニットをはじめとするデザイナーの経験を積み独立。現在フリーランスとして企画・デザイン・パターンを担当。 プロダクトアウトなものづくりからマーケットインまで、偏らないバランス感覚を武器に、コンセプトメイクからお客様に届くまでをディレクションするプランナーとして業界を問わず活動中。