本部が狙うターゲットと実顧客とのズレ

今回のお話は、展示会においてブランド本部に自身が毎回疑問を感じることです。

ブランド顧客の顏見えてますか?

ターゲット(狙う顧客)のターゲットプロファイリング(顧客の嗜好性とライフスタイル)のイメージコラージュを行うことが、明確な顧客イメージを描くことができるようになり、顧客ターゲットとして絞り込みができるようになります。

 

とある記事から「顧客ターゲットの設定」について一部抜粋した内容になります。

5月はどの企業も次シーズンAWの「展示会・内見会」に開催されることが多く、各店長方も参加されることでしょう。

そこで、展示商品を見る前にブランド本部のMD主体に次シーズン「商品コンセプト」の説明があると思います。

自身が全社に勤めていた2年前の展示会の話ですが、当時は前年の不況によりブランドから「リブランディング」を行うとのコトでした。ちなみに「リブランディング」とは…

 

企業のビジネス戦略と、市場(消費者)との間でミスマッチが起こるとブランドは危機に陥ります。
そこで、ブランドの方向性を修正し、再活性化させることが「リブランディング」なのです。

 

という店舗内装から商品・備品等全てにおいて「ブランドコンセプト」から見直すという思いきった「変化」に踏み切るという説明がありました。ということから、ターゲット層の見直しも当然ですが、ブランドが設定する「ターゲット」に自身は疑問を感じました。

 

◯実際の顧客層とのギャップ

自身は全社時代、メンズブランドでどちらかと言えばカジュアルアイテムが主体だったので、「顧客層」はどちらかというと若年層中心(学生〜30歳まで)でした。勿論、異例の客層もいましたけどね。

以前のブランドが設定した「ターゲット層」はズレは少なかったのでほぼ狙い通り。内装から商品までほぼ設定通りだと感じてました。しかし、「リブランディング」に伴い、「ターゲット設定」を以下の通りに設定するとのこと。

・30歳〜40歳男性(独身)、彼女いる

・土日休日、年収400万ベース

・トレンド志向高く、月1買い物ペース

・読む雑誌→Joker.Smart.Men’s non.no(だったはず。)

他、趣味など多々の設定もありましたが、忘れました。  笑

ってな感じの「設定ターゲット」に変更したわけです。ちなみに、ブランド名はロゴの変換のみでそれに付随し、内装・タグやショッパーなどの備品系も変更と。

しかし、「リブランディング」の目的や狙いの意図は理解できましたが、ブランド名を変えずターゲット層の変更をしても、相当な時間がかかるんじゃないかと。そんな体力がブランドにあるのか疑問でしたし、セレクトショップじゃないのに、何故にターゲット年齢を上げたのか?(有数のセレクトブランドと肩を並べれるわけないやん…)

そもそも今までの顧客はどうするの?

と「リブランディング」の発想は支持しますが、ターゲット客層を変えるなら「ブランド名」を変えるぐらい一新の思い切りさもあってもいいのでは?と。

その後どうなったか?

幸い、以前からの顧客は継続。しかし、ブランドが設定したターゲット層は微増と以前と傾向は変わらず成果の善し悪しの判断は難しい状況。

今後の商品企画において「リブランディング」もそうですが、展示会も含め店長との商品会議を増やし、そしてブランド本部の人達がマメに店頭に出向き、「顧客の顏=ターゲット」を見ることが大切だなと。その上で「企画」を薦めて頂きたい。

 

そして、土日、祝祭日と1番売れる、1番客数が多い時ほど休んでなんかいないで見に来いよ!って思っております。

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金田 拓巳
About 金田 拓巳 172 Articles
販売員歴14年(店長歴7年) (株)ワールドストアパートナーズ 入社初月から店舗個人売上実績1位。1年目後半~ブランド内全国個人売上1位をサブまでの3年継続。異例の早さで「店長」へ昇格。 店長就任後、部下スタッフを同様に全国区の販売員に育成し。担当した店舗では常に前年比110%〜130%の売上増加を実現。 2016年→ヒューゴ・ボスで再度パフォーマーとして活躍。 2017年→「販売・マネジメント」の観点からフリーランスとしてスタート。 2019年→企業に戻り郊外中心数店舗の「販売トレーナー」として現在活動中!