生地工場だけでは生地は作れません

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「国内の繊維産地」といわれると、多くのファッショニスタやメディアの人間は、生地製造工場を思い浮かべます。ナンタラ織布とかナンタラ織物とかナンタラニット、ナンタラメリヤスという社名はすべて生地製造工場です。

生地を織ったり編んだりしている工場で、ここにクローズアップされすぎていると感じます。

しかし、生地工場だけで生地は作れません。

何を矛盾したことを言っているのかと思うでしょうが、事実なのです。

生地を織るためにはまず、糸が必要です。生地工場は糸は生産しておらず、紡績か合繊メーカーから糸を仕入れます。また糸商(糸問屋)から仕入れる場合もあります。

さらに単純な綿糸や麻糸だけならまだしも、異なる糸同士を一つの糸にするには撚糸という工程が必要で、これまた撚糸工場なくしてはできません。強撚糸を作るのも撚糸工場の仕事です。

ほとんどの生地工場はその糸を使って生地を作るだけの機能しかありません。

糸や生地を染めるのは染色加工場の仕事です。

そして生地が出来上がったあと毛羽を落としたり、防縮加工を施したりするのは整理加工場の仕事です。

日本の産地はすべて分業でなりたっていました。産地の中に染色、生地製造、整理加工がそれぞれ別の会社として存在しており、産地全体で生地を作っていました。

中国の場合は、90年代に急速に整備されたので、一貫製造体制となっています。

日本製ブーム?のおかげで産地の生地製造工場はある程度注目が集まっていますが、撚糸や整理加工場はまったく注目されておらず、倒産・廃業が相次いでいます。

そうなるともう産地内での物作りは完結できなくなり、事実そうなりつつあります。

2010年以降でも兵庫県の播州産地(綿先染め生地で有名)でダイイチという整理加工場が倒産しました。また、ウールで有名な尾州産地でも艶金化学工業が整理加工部門をソトーに営業譲渡しました。

このように整理加工場は徐々に産地内から姿を消しつつあります。極端な話、生地製造工場だけがいくら残っても生地作りはできなくなるのです。

では、今後はどうなるかというと、日本全体が一つの産地とならないと生地作りは国内でほとんどできなくなるでしょう。残った整理加工場が全国さまざまな産地の生地を受け入れて加工を施すというやり方を採るのです。

中国のように各工場が各部門を新設し一貫生産体制になればどうかと考える人もいるかと思いますが、そのためには多額の設備投資が必要となり、繊維の製造加工業の将来が明るくない今、そんな中で多額の借金を背負うというリスクを冒す企業はほとんどありません。

日本製ブーム?は大いに結構ですが、日本の生地作りが存続するのはかなり難しい状況にあるということを認識してください。

 

 

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南 充浩
About 南 充浩 55 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿

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