「日本製」トークにお客様がモヤッとする理由

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mikuratv / Pixabay

こんにちは、森野です。

先週のブログでセールストークについて大枠を書きました。
今週は具体的に紐解いていきます。

今日のお題は「日本製」という商品情報がセールストークになるかならないかです。
アパレル販売員の皆さんはもちろん、企画サイド、ものづくりサイドの皆さんにも読んでいただきたいと思います。

「日本製だから何」を100%ユーザー目線で答えられないのなら、お客様にとってそれが購入の決め手になることはない

国内ブランドを扱うアパレル販売員の方なら、誰しも一度は「日本製」をセールストークにしようとしたことがあるはずです。

「そうなの?じゃあ安心ね、やっぱり日本製がいいのよね。」と、うまくいく場合もあれば
「あ、そうなんですね。」と流されてしまったこともあるでしょう。

前者は、大前提としてお客様が「日本製」というワードにとりあえずの安心感をおぼえています。ここがとても重要で、こういう方にしか日本製トークは通じません。そして、実際のところその安心感を惑わすほど日本製の品質は悪くありません。これは過去の実績的に事実です。だから「日本製=安心な気がしますよね。そういうお客様は実際多いですよ。」というセールストークが一応成立します。ただそれでも「買うなら日本製」程度であって「日本製だからそれを買う」ほどではありません。だって、日本製いっぱいあるし。

一見、ファッションとしての見た目の違いに表われないから、商品の付加価値としては低い

ファッションは、自己表現や自己満足、承認欲求の具現化です。つまり「見える化」。
なぜ、見える化するのか?少なからず、そう見られたいからです。
見た目で生産国、地域、わかりますか?普通、分かりませんね。

美味しさが一番の飲食物なら、産地情報は味の違いに表われ、付加価値が高いです。気候や土壌、水質が味や形状に大きく影響しますから、差別化の条件であり、味の保証でもあります。ちなみに私、リンゴは信州産のフジと決めていますし、広島の仁多米は美味しいと思うので仁多米のおにぎりを見かけたらつい買ってしまうかもしれません。

でも見た目が一番のファッションアパレルにおいてはどうでしょうか。機能性が一番の衣料品についてもそうです。私がファッションの部類の商品を買うとき、日本製かどうかは最優先項目ではありません。ましてや「今年は秋田県でつくられたコートを買おう」とか思いません。
もしあなたがアパレル販売員で、ファーストアプローチのとき「こちらは秋田県でつくられたコートでー」と同類のことを言ったことがあるならば、なぜそれをそのタイミングで言ったのか考えてみてほしいです。

飲食物に比べ、アパレルにとって「日本製」「〇〇県産」は差別化の条件にしては弱いし、何かの保証になる情報としては定着していないのです。
ちゃんとできていて、品質と価格に納得できれば買います。

「イタリア製」「フランス製」のもつパワーと、「日本製」のそれは種類が違う

遠くから矢が飛んできそうですが、日本製かつ国内の産地までアピールされましても、モノが光ってなければどうでもいいです。モノが良くて初めて、産地に興味を持つかもしれないです。モノの良さが伝わる前に産地を言われたところで、モノに興味は芽生えません。

ではなぜ「イタリア製」「フランス製」は商品イメージを格上げするのでしょうか?

それは「イタリアっぽいテイスト」「フランスっぽいテイスト」が確立されていて、もうそれがファッションだから。
イタリアンカジュアル、フレンチカジュアルときけば、なんとなくコーディネートが浮かびますよね。
その文化に回帰するアイテムを買うなら、その国のもののほうが本格的な気がするし、そこへトリップしたような気分にもなれるからです。

「日本製」についていうと、ジャパニーズカジュアルという言葉すら聞きません。だから、商品のファッション性の価値としては肩を並べることができないのです。

一周回って「やっぱり日本製はいい」

最後に、私が経験してきた事例を踏まえて日本製の何がいいのか書いておきます。ただ、あくまで私が触れてきた日本製のモノに限っての内容です。アパレル販売員の皆さんは接客に使ってもいいけど、モノをよく見て使ってくださいね。
・文化的にお客さんの目が厳しいから、仕上がりの検品のハードルが高く、店頭に並ぶ商品はきれいで均一。海外ブランドだと、コレよく検品通ったなという甘い縫製や生地使いの商品をたまに見かけます。
・文化的に時間を守る、最善を尽くすので、修理やパーツ取り寄せになった場合対応が早い。イタリアとかとやり取りすると、全然返事来なくて数か月かかるのが常。
・日本の「いま」のニーズに合ったものが日本人の感性でつくれる。アイテム、機能、サイズ等、ニーズを汲んで提案できる。

ここに挙げた3つはすべて、買った人、使う人が得することです。
だから日本製はいい、それだけの話なのです。ここをわからずに「日本製」トークをすると、痛い目をみますよ。

 

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森野 咲
About 森野 咲 69 Articles
1979年横浜市生まれ 販売員歴15年 現在、フリーランスの販売員。 TopSellerブログ火曜日担当。 たまに業界誌に寄稿。 幼少期はお花屋さんかケーキ屋さんになりたかった。 職歴は、国内大手SPA婦人服・雑貨店舗にアルバイト→契約社員→正社員と進み、店長3年、統括店長2年。統括店長時代に、垣根を越えた生産性の最大化の方法を提案し社長表彰を受ける。 シアトル系カフェチェーンにてアシスタントマネージャー2年。外資系の育成法とサービスを学ぶ。 震災を機に、もう一度洋服屋の販売員を志し転職、某セレクトに入社、5年ほど勤務。アウトレット店にてメンズを担当、インポートからオリジナルまで、モノをカネに変えビジネスを回すことの難しさを知る。コレクションブランドのトランクショーのヘルプ、プロパー店のイベントヘルプ、物流センターの業務なども関わり、新店OPEN時にはスタッフ育成に出向く。 35歳で一度販売員を辞めたが、ふとしたことで派遣社員として某ラグジュアリーに配属。3か月後にはショップ内売上No.1、派遣でありながらも受注会の顧客アテンドを経験。 この頃、twitter上でTopSeller主宰の四元氏と出会う。東京駅地下のスタバでコーヒーを飲みながら、販売員として、独立してやってみる決意をした。

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