フリースってどんな意味?

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衣料品業界において、元の意味とまったく異なった意味になってしまった用語は結構あります。

その最大の例は「フリース」でしょう。
皆さんは「フリース」と聞くとどんなイメージを持ちますか?

おそらく、多くの人は、ユニクロがその昔売りに売りまくった1990円のあれを思い浮かべるのではないかと思います。もしくはその後、イオンやイトーヨーカドーが追随して発売し続けている1000円くらいのあれではないかと思います。

下手をすると、あの商品そのものが「フリース」という商品名だと思っている人もおられるのではないかと危惧してしまいます。

それは「デニム」という名前があのズボンのことを指していると思うのと同じくらい危険です。

フリースもデニムも生地の名称です。

ですからあれらの商品はただしくはフリースジャケット、デニムパンツ(またはジーンズ)といいます。

さて、フリースについてですが、もともとフリースとは「羊一頭分の刈り取られたつながった毛」のことを指す言葉でした。それが転用され、羊毛のようにモコモコした表面感の生地を指すようになりました。

現在の「フリース」はポリエステルでできたあの生地を指していますが、元の意味を考えると、ポリエステル以外の繊維で作られていてもなんら問題はありません。

ギリシャ神話には、アルゴ号という船に英雄たちが乗り込んで、黄金の羊の毛を刈り取りに行くという話がありますが、そこで刈り取られた黄金の羊の毛のことを英語で「goldenfleece」と呼びます。

今、放送中の「宇宙戦隊キュウレンジャー」にもアルゴ号は登場します。星座のモチーフはギリシャ神話が多いので当然といえば当然なのですが。

98年からユニクロのフリースジャケットが大ヒットします。当時は1900円で売られていました。今ではフリースジャケットというとすっかりあの1990円の商品を指すようになりましたが、当時はどうして爆発的に売れたのでしょうか?

それまでフリースジャケットというのは非常に高価な商品だったのです。主にアウトドア用途に使われていました。最低でも9800円くらいはしていました。

ポリエステル製なので軽くて速乾性があり、保温力が高かったからです。欠点は風を通しやすいことと燃えやすいことです。

この機能性商品を1900円という圧倒的安値で販売したから大ヒットしたのです。また97年に山一證券と北海道拓殖銀行という大手金融機関が2社も倒産したことによって、不景気感が強まり、節約志向が高まっていたことも背景にはあります。

元の意味とはまったく異なるイメージが定着してしまっているのですが、身の回りには意外とこんなことが多くあります。言語というのはこうやって変化してきたものだといえます。

 

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南 充浩
About 南 充浩 68 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】

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