ユーザーとの関係性をデザインする重要性

さて。

もう2017年の冬が始まろうとしています・・・一年がさっと駆け抜けてまいります。

日曜日の昼下がり、皆様のちょっとだけ空いた時間を頂戴できればと思います。

 

皆さん!関係性をデザインしましょう!

デザインとは書きましたが、わたしたち企画デザインの仕事は、まず「売れる商品」をつくること。

売らないと人に給料払えないんですよね・・・資本主義って・・・(遠い目

アパレル販売員の皆様のお仕事のひとつは「お客様の購買決定をデザインする」こと というイメージをとわたしは持っています。

ECの勢いがある昨今。

でもお客様との関係性を言葉で構築できるのは、やはり店頭の強みと作り手のわたしは考えています。

わたしが企画デザインの仕事において大切にしていることがありまして、

それは「企画デザインは、大切な人へのプレゼントのように考えろ」です。

プレゼントって、相手が「これこれ!」とちょっと驚きながら、目を輝かせることができたら大成功じゃないですか。

でもそのためには、「その人の想像を少し越える」ことが必要だと思います。ちょっとしたサプライズみたいに。

何も想像せずに、

マニュアルに書いてあるような、

周りがやっているような正攻法をただひたすらにこなしていても、当然ながらそういうことはできないんですよね。

人間が想像できることは、人間が必ず実現できる

とジュール・ガブリエル・ヴェルヌも言っておりますから、想像するようなことが「無理」「できない」なんてことはないのです。

企画・デザインというのは、ユーザーとのタッチポイント、関係性の構築において非常に大切です。

わたしはこういうものです!!という自己紹介をそのツラで伝わるように構築すること。

そのときに少しの驚きのようなものをいかに伝えるか、商品だけでは力不足なこともあります。

 

温度がある言葉だから伝わるもの

 

伝え方、伝わり方で大切なのは”温度感”である、というのをここ最近ひしひしと感じます。

人間っぽさがあるのか、機械的であるのか、などでその温度感は変わってきますが

それを伝えるには商品のツラだけでは不十分なこともあります。

以前、失敗したなあ、と思った出来事がありまして。

企画チームで熱を持って作った商品に意見を求められて関わったことがあったのですが、とてもできのいい商品で、当初は営業にも企画を連れて行き、プレゼンさせるという予定でした。でもそれを急に辞めるということが起きたんですね。

やめた理由に関しては触れずにおきます。

企画チームも懸命に抗議しましたし、無理と分かれば商品の説明をしたいから話を聞いてくれとなんども訴えましたが、彼らは聞きいれることはありませんでした。

結果、その商品が営業先に正しく伝わることはなく、売れずに終わってしまったと聞きました。

この手の話、結構あります

これはもちろん組織構成やマネジメントへの問題もありますが

この場合”温度感”が伝わらないんです。作った側の人間や、その商品の魅力が。

売るはずの営業の定型句的な説明が、ブランディングをぶち壊してしまったというケースでした。

まったく新しいはずの切り口が、どこかで聞いたことがある言葉で説明されてしまった

商品と取引先の関係性をデザインするにあたって、これは致命的でした。

言葉で伝えるということの重要性を再認識した瞬間でもありましたね。

商品とユーザーはもちろん、商品と卸先の関係も直販ツールを持たない小売としては重要な要素です。

そこまでを考えた関係性の構築を考えて行かねばならないなあと、自戒を込めて思う出来事でした。

 

企画の仕事はそこまで広がる。

語れる商品を作れるかももちろんですが、語りやすいフォーマットまでを準備できるか。

つまりは「キャッチ」や見ただけで新しさが伝わる商品になっているのか。はもちろんですが

語ってもらうための内部の関係性構築や組織作りも重要だなあと。

前述の例はもはやそれ以外にも問題が多かった事案でしたので、これ以上触れますまい。

大好きな言葉があって、”Form Follows Function”というやつですが。

形態は機能に従うっていう、ルイス・サリバン。有名ですよね。

近いところではよくデザインにおいて使われる言葉ですけど、これは組織構造や市場構造にも言えることだなあと思っているんです。

世の中や大衆、構成員の変化に従って、いかなる形状・形態も変化し続けることが求められるんだろうとわりと本気で思っています。商品やユーザーの変化に従って、各役割の関わり方という形態も流動的であるべきだと。

それを意識してものづくりをするべきだなあと、心底感じる今日この頃でした。

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中溝 雪未
About 中溝 雪未 69 Articles
1990年生まれ。コレクションブランドの企画室でインターンからデザイナーアシスタントとして勤務。その後アパレルブランドで布帛・ニットをはじめとするデザイナーの経験を積み独立。現在フリーランスとして企画・デザイン・パターンを担当。 プロダクトアウトなものづくりからマーケットインまで、偏らないバランス感覚を武器に、コンセプトメイクからお客様に届くまでをディレクションするプランナーとして業界を問わず活動中。