百貨店とGMSの大閉店時代

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 こんにちは南です。

トップセラーのメンバーからこんなことを言われました。

「店頭の販売員にとっては直接必要な知識ではないが、業界ニュースに対する興味は深い」と。

そんなわけで今日は業界ニュースを。

百貨店の閉店も話題になっていますが、GMSと呼ばれる大型総合スーパーの閉店も続々と発表されています。これまで一般消費者にとって「買い場」の多くを占めていた百貨店とGMSの大閉店時代がついに始まってしまいました。

百貨店の閉店で目立つのは中型都市の地方百貨店です。

最近発表されたのでは、西武八尾店、西武筑波店、そごう柏店です。そごう西武は4大百貨店グループの中でもっとも勢力が弱いグループです。その中の中型地方都市の店舗の閉鎖が決まりました。理由は売り上げ不振による不採算化です。

続いて先日発表されたのが、三越千葉店と多摩センター三越です。これに続いて、東洋経済では「伊勢丹松戸店、伊勢丹相模原店、伊勢丹府中店も閉店候補にあがっている」と報道しています。

その前には、大阪・堺市にある北花田阪急の閉店も発表されました。

一方、GMSですがイオンは閉店を発表していませんが、業界上位のイトーヨーカドーとユニーは大量閉店をすでに発表しています。イトーヨーカドーで20店舗、ユニーは25店舗の閉鎖を発表しています。直近ではイトーヨーカドーがその対象店として倉敷店や六地蔵店の閉鎖を具体的に発表しています。

じゃあイオンが独り勝ちなのかというとそうでもありません。イオンの決算を見てもらえばわかるように利益が大幅に減少しています。売上高が減らないのは毎年イオンモールとイオンを新規出店しているからです。イオンに限らず新規出店というのは会社の売上高をもっとも簡単に増やせる手段の一つです。今までよりも店舗数を増やせばそれだけで売上高自体は増えます。もし、イオンが一切新規出店をしていなければ、現在はどうなっているかわかりません。それほどに危うい状況にあります。

百貨店が大量閉店する理由ですが、いずれも中型地方都市店に今のところは限定されています。中型地方都市の多くは電車やバスで数十分で都心にたどり着ける位置にあります。八尾なら近鉄電車で20分くらいで難波に着けます。そうするとファッション衣料やちょっと珍しい物を買いたい場合、中途半端な品ぞろえの地方駅前店に行くよりも面積が広くて品ぞろえも豊富な都心店へと多くの人は足を延ばします。

また、地方都市の郊外にできたイオンモールなどの大型ショッピングセンターに行く人もいます。このダブルパンチで地方都市百貨店は不振になるのです。北花田阪急の場合は、イオンモール内の施設ということもあり、ほとんどの買い物客がイオンモールで満足してしまいます。また中途半端な広さと品ぞろえなので百貨店で買いたい人は南海電車で20分くらいの高島屋難波店へと出向いてしまいます。

中型地方都市には百貨店はすでに1店舗しか存続できなくなっており、下手をすると1店舗も存続できなくなる都市も出てくるかもしれません。今後は2番店以下は確実に排除されます。

GMS不振の理由はなんでしょうか。

イオンモールや大型ショッピングセンターはそれなりににぎわっています。しかし、それはショッピングセンター内に入店しているテナント店が目当てなのです。イオンモールに入店しているイオンそのものが目当てではありません。イトーヨーカドー倉敷店なんてその典型です。アリオというセブン&アイグループの大型ショッピングセンター内に出店していますが、アリオ内のテナント店がにぎわっていてイトーヨーカドーそのものは売れていないのです。ですからアリオはそのままでイトーヨーカドーだけが抜けるなどという異変が起きるのです。イトーヨーカドーもアリオも同じセブン&アイグループにもかかわらずです。

GMS不振の原因は食料品以外の需要がなくなってしまったことです。衣料品はユニクロ、しまむら、インテリアはニトリ、雑貨はダイソーやセリアといった低価格カテゴリーキラーに客を奪われました。そして今度はネット通販という脅威も生まれています。

現在、一般的には好調だと思われている大型ショッピングセンターさえ飽和状態が近づいています。すでに一部のイオンモールは近接しすぎて共食いを始めているともいわれ、この分野も近い将来に大閉店時代を迎える可能性が高まっています。

販売員の皆さんが日々働いている店もいつなくなってもおかしくない状況を迎えていることをご理解ください。そして、それでも販売員として生き残っていくためには何をすべきかを考えて日々の業務に取り組んでください。

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南 充浩
About 南 充浩 63 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿

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