人は環境次第で大きく育つ

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【 Interview -ファッション業界で働く- 】パリ・服飾学生 Natsuko Takato

2年間フルで通った後、「ERES(エレス)」というランジェリーと水着のブランドで半年間インターンを経験。アートディレクターのすぐ下で働けたことは大きかったです。そのあとソニアリキエルの刺繍部門でインターンをしました。でもインターンを通して、今後自分がデザイナーとしてやっていく時にアイデアだけではなくそれを形にするテクニックの必要性を感じて、もう一度学ぶ環境に身を置こうと思いサンディカへ入学しました。

― 多くの場合、雑務ばかりやらされる日本とは違って、フランスではインターンでも実務を任せてもらえるんですね。

パリの服飾専門学校に通う女性のインタビュー記事。インタビュアーの発言に見られる通り、日本と海外でのインターンの差が明らかにされております。教育の現場にいる身として、これは非常に重く受け止めている事実であり、今後絶対に改善していかなければならない問題です。

人は実践でしか育たない

以前もTopsellerで書いておりますが、座学でいくら知識を教えても学習効率は上がりにくい。結局は手を動かさないとダメですし、それが実践の場であればあるほど効率が上がります。

 

海外の方がインターンが充実しているのか?

 上記の通り、海外でのインターンシップは実践を重視している印象を強く受けますし、現在活躍中のデザイナーの略歴を見ていますと、学生時代にコレクションブランドでのインターンを経験していたりします。

感じる服 考える服(山縣良和氏)

アレキサンダー・ワン

プロエンザ・スクーラー

以前、僕が講師をしている学校にファッションジャーナリストのミーシャジャネットさんが講演に来られた際、「日本の専門学校(東京文化服装学院)に来てインターンがほとんど無い事に驚いた」と仰ってました。ミーシャさんはその事を否定的には捉えていませんでしたが、やはり現場の第一線に学生が参加し、学べる事の意義は大きいと感じます。

 

日本のインターンの実態

デザイナー職に限らず、日本国内ではこういった実践的なインターンが少ないです。メディアでもよく「産学連携」の取り組みなどが取り上げられておりますが、それが実際に企業・学生双方に恩恵をもたらした事例はあまり聞きません。内容を見てみると実践とは程遠く、模擬的にショップを運営したりバイイングさせたりという中途半端なものが目立ちます。

これはとある大手企業のブランドマネジャーとお話した時に仰られていたのですが、「インターンに良いイメージが無い」との事でした。理由は無給のインターンでは学生のモチベーションが上がらずアルバイト雇用した方がしっかり働くと。企業側からすれば、お金を出した方が学生の生産性が高まり、将来的に人材獲得に繋がりやすいのでアルバイト採用が望ましいようです。現在その企業でご活躍されている多くの人材が、学生アルバイトから社員登用された方だという実績もあるからでしょう。

ここからわかる事は、多くの学生は「実践」と「報酬」によってモチベーションに大きな変化をもたらすという事。企業側もここを理解してはいますが、学校側の対応が弱すぎます。学内で座学や実習を延々させていても学生のスイッチはオンにはなりにくいですし、現場に出さなければその学生の本当の課題は洗い出されません。

 

学習効率は環境次第

これは持論ですが、教育における最重要項目は優秀な人材を育てる事よりも「底上げ」にあると考えています。優秀な人材は自助努力が出来たり、自ら環境を変える力を持っていたりしますが、そうでない多くの学生は環境が全てです。教育機関がその環境を整えてあげる事が本来の役割ですし、その為には現場に出せる最低限の知識やスキルを習得させ積極的に現場に出す事が求められます。

海外の学校の全てを礼賛するつもりはありませんが、学生さんにより充実した教育を受けてもらう為には改善しなければならないポイントはまだまだあると痛感しますし、そういった問題点に対して微力ながら貢献していきたいものです。

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深地雅也
About 深地雅也 116 Articles
株式会社StylePicks CEO。ECサイト構築・運用・コンサルティング、リテールのソリューション事業を中心に活動。並行してファッション専門学校の講師も務める。 繊研新聞にてEC関連記事連載中。→ https://senken.co.jp/posts/fukaji01

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