「見てしっくりくるものがあれば買いたい」お客様に、見る時間を与えないのはなぜ

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geralt / Pixabay

ついに今年も、花粉シーズンがやってきました。

下を向けば鼻水、接客中に止まらないくしゃみ、頭はぼんやりするし、もう散々です。

初対面の方とコミュニケーションすることが多い販売員にとっては、仕事がしづらいだけでなく気持ち的にもとてもつらい花粉症…

みなさんはご無事ですか?

お客様に嫌がられることしていませんか

販売員のみなさんの多くは入社したての頃、接客のアプローチを早めにするよう言われ、遅いと注意や指導を受けた記憶があるはずです。

アプローチが遅いと、商品説明もセールストークもすることなくお客様がお店から出て行ってしまうから、売り逃がしになる

こう言われませんでしたか?

それでプレッシャーを感じながら試行錯誤するうち、たしかにアプローチを早めにすると接客に入れることも多くて、買いにつながることも多くて、やはりそうするべきだと思って、後輩にもそうするように教え、今に至るのではないでしょうか。

しかしこういった接客の概念は、この業界で何十年前から受け継いでいるか考えてみたことがありますか?

お客様の買い物の仕方は日に日に変わっているのに、その昔教わったやり方は、現代のお客様にも良い形で結びついているのでしょうか。

どんなお客様が店頭に買いに来ているか、一度自分の目でよく見てみよう

私が販売員になりたての頃は(20年近く前)、スマホでブランドの検索をしたり、人気のアイテムを検索したりできませんでした。

当時のお客様は店頭に足を運んで初めて買い物が始まります。前情報は、ファッション誌で写真を見たことがあるくらいがせいぜいでした。

今はどうでしょうか。

公式HPやSNS、ECなどでブランドは情報をたくさん発信していますし、情報をしっかり集めてからご来店のお客様も多いです。店頭にいらした時にはすでに比較検討が始まっていることも少なくありません(購買心理のAIDMAの法則で、Attention→Interest→Desire→ Memoryまで到達してから来店されている )。

お客様がご自分でできることとして、その気になれば品番やカラー展開、サイズはもちろん、素材やデザイン特徴といった商品説明も手に入り、アパレル自社サイトから在庫のある店舗も調べがつきます。

このように、スマホが普及しECの整備が進むにつれ「もうなんとなく知ってるけど、今日は実物を見にきた」というお客様が増えているのは、時代の変化の特徴です。

こういうお客様に「そちらは実は〇〇でー」などと、教えてあげます姿勢でアプローチするのはとても滑稽です。

今店頭にお越しになるお客様は大きく分けて3つ

今、店頭のお客様を分類すると

①実物を見にきた(ネットで調べはついている)

②欲しいアイテムはあるけどイメージはぼんやりしていて、見てみてしっくりくれば買いたい(ネットで検索しきれない)

③買い物がしたい(フィーリングで気持ちよく出費したい)

③は時代的にかなり少なく、①は増加中、一般に一番多いのは②です。

では、この②のお客様の言い分をよく聞いてみましょう。「見てみて、しっくりくれば買いたい」とおっしゃっています。

この層は、見ないと買わないのだからリアル店舗の存在意義を存分に発揮できるお相手です。

お客様は「見てみたい」から来たのに「見られない」から帰ってしまう

見てみないと分からないお客様の中には、着用感やシルエットを追求したい大の服好きも含まれますが、そこを除くと、ご自分に合うものが分からない、好みのポイントを言葉にできないから色々見てみて、なんだか良さそうなものを買いたい方々です。

ECモールで色々検索するのを、リアル店舗でやっているような状態です。

ネットでザッと検索しているときに、いちいち話しかけられたら集中できないですよね。無視するのではなく、感じよく側にいるようにすると良いです。

「春物何か欲しいなー」と思ってたまたま花柄のブラウスを見ていたら販売員に「花柄かわいいですよね!」と共感を求められるとか、しんどいだろうと思います。

見に来てくださったのですから、見る時間を、どうかつくって差し上げてください。

アプローチは、タイミングが悪いより内容が悪い方が致命的です。よく観察してください。

最終的に、お客様が「ゆっくり見られて、自分が納得いくものを見つけられて、店員さんにも良くしてもらって、新しい自分も発見できて、ここに見に来て良かったな」と思っていただければいいのです。

それがたとえ、販売員がコントロールした結果であっても、それが一番いいのです。

お客様との攻防戦は、そろそろやめませんか。

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森野 咲
About 森野 咲 92 Articles
1979年横浜市生まれ 販売員歴15年 現在フリーランスの販売員。 TopSellerブログ火曜日担当。 業界月間誌に執筆中。 幼少期の夢はお花屋さんかケーキ屋さんになること。 経歴は、国内大手SPA婦人服ブランドにて店長3年、統括店長2年。統括店長時代に、垣根を越えた生産性の最大化の方法を提案し社長表彰を受ける。 シアトル系カフェチェーンにてアシスタントマネージャー2年。外資系の育成法とサービスを学ぶ。 震災を機に、もう一度洋服屋の販売員を志し転職、某セレクトに入社、4年半ほど勤務。アウトレット店にてメンズを担当、インポートからオリジナルまで、モノをカネに変えビジネスを回すことの難しさを知る。コレクションブランドのトランクショーのヘルプ、プロパー店のイベントヘルプ、物流センターの業務なども関わり、新店OPEN時にはスタッフ育成に出向く。 35歳で一度販売員を辞めたが、ふとしたことで派遣社員として某ラグジュアリーに配属。3か月後にはショップ内売上No.1、派遣でありながら受注会の顧客アテンドを経験。 この頃、twitter上でTopSeller主宰の四元氏と出会う。独立決意を固め、現在に至る。

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