繊維・ファッション業界に蔓延する「嘘の神話」

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繊維・ファッション業界にはさも事実かのように信じられている「嘘の神話」がいくかあります。
オーガニックコットンはその最大のものの一つでしょう。

日本でオーガニックコットンというと名物オジサンで有名になった大正紡績がありますが、はっきり言って、オーガニックコットンには身体に好影響を及ぼす効能は一切存在しません。
それを証明する科学的データも一切ありません。

オーガニックコットンについて

・アトピー性皮膚炎が軽減する
・肌荒れに効能がある
・手触りが通常の綿とは異なる

などの説明をさも本当かのように語る人がいますが、これらはすべて根拠のないデマです。

もちろん、そういうことがあったという評価を耳にすることは当方もありますが、それはオーガニックコットンによって効いたのか、別の要因で効いたのかがまったくはっきりしません。
プラシーボ効果が発揮された可能性もあります。

また、手触りは通常の綿と何ら変わりません。

手触りの良い生地を作りたいなら、何もオーガニックコットンである必要はなく、細番手の綿糸で織ればそれで目的は達成されるのです。

知識のない素人が言うならまだ理解できますが、仮にも紡績の人間がこのようなデマを吹聴するのはいかがなものかと思います。
知識がありながら嘘を吹聴するのは詐欺にも等しい行為ともいえます。
そこまでして自社の商品を売りつけたいのでしょうか。呆れ果てます。

またこんな嘘もあります。

イタリアの生地の発色が良いのは、織ってから何年間か寝かせて熟成させるから、というものですが、これも真っ赤な嘘です。

「真っ赤な嘘」というと明石家さんまの歌を思い出すのですが、それは置いておいて、織った生地を大量に長期間寝かせておけるほど、余裕のある生地工場は日中欧のどこにも存在しません。
生地工場は製造した生地を何か月か後には販売して換金しなくては経営が立ちいかなくなります。

ましてや不況が長いイタリアにそんな悠長なことをやっていられる生地工場は存在しません。

これは、コンサルタントの河合拓さんが種明かしをされている通り、綿(ワタ)の段階で、染色を施してそれを糸にして生地にするため、通常の糸染めよりも色合いに深みがでるというのが、正解です。

ついでにいうと、中国工場で染色した生地と国内工場で染色した生地は「水が違うから色合いが違う」というのも嘘ではないかと見ています。
根拠は中国が硬水、我が国が軟水という水の質の違いによっているのですが、欧州の水質も硬水なのに、欧州工場の染色についてはこの説は言われないのです。おかしいとは思いませんか?

欧州は硬水で綺麗に染色できるのに、中国は硬水だから綺麗に染色できないというのは水の質が原因ではないということになります。

繊維・ファッション業界にはこの手の嘘が蔓延しており、それがかえって消費者を惑わす結果になっているのです。
そろそろ嘘の神話に乗っかった商売はやめた方が賢明でしょう。

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南 充浩
About 南 充浩 105 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】

1 Comment

  1. 南充浩氏によるオーガニックコットン批判は、的外れで意味が分からない。
    オーガニックではないコットンに触れると身体に異常をきたす人たちが少数とはいえ存在していて、そういう人たちの為にオーガニックコットン製品は存在している。(それと農薬に触れる生産者たちの健康の為)
    パタゴニアがなぜオーガニックコットンを使うのかなど、少しは勉強してはどうか。無知を猛省せよ。

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