ベネフィットを提供できていないブランドが増えすぎた

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洋服の販売不振がここにきて隠しようもなくなってきました。

以前にも書きましたが、百貨店、量販店、アパレル直営店の大閉店時代を迎えました。ではなぜ洋服が売れなくなったのでしょう。一つには過剰供給があります。流通している洋服の年間総量は40億枚内外あるといわれていますから、日本人一人当たり1年間で30枚以上の洋服を買わなくてはならなくなります。そんなことはあり得ませんから良くて半数、悪ければ7割くらいは売れ残るでしょう。供給が過剰になれば値崩れするのは大根も服もサンマもイワシも同じです。

店頭販売に従事する人は若い方が多いのですが、46歳のオッサンからすると、2005年以降で中価格帯以上のブランドの見た目が大きく劣化したように感じます。90年代後半にユニクロブームがありましたが、実際のところ、ユニクロの商品の見た目はひどくダサかったです。当時、タケオキクチ、イネド・オム、ジュンメン、メンズビギ、メンズメルローズ、アトリエサブなどのブランドを買っていましたが、明らかにユニクロにはない商品が多くありました。

ぼくがユニクロで頻繁に買うようになったのは2004年以降です。このころから如実にユニクロと百貨店ブランドの商品との見た目に差がなくなってきました。今では完全にないのではないかと感じます。

そうなるとほとんどの人は安い方で買います。わざわざ高い方で買う人は少数派です。

なぜ、洋服が売れないのか。それは消費者がベネフィット(利益)を感じていないからでしょう。

一口に「ファッション、洋服」と言ってもこれを買うことで得られるベネフィットは様々あります。

暖かいとか動きやすいという機能性

品質が良いのに価格が安いという利益

それを着たことで「素敵」「カッコイイ」と称賛される利益

それを着たことで得られるステイタス性

などがベネフィットだと思います。

好き嫌いはあるでしょうが、ユニクロは機能性だとか高品質低価格というベネフィットを提供できているし、そういうベネフィットがあることを消費者に伝えきれています。

ラグジュアリーブランドはステイタス性だとか称賛されるベネフィットあります。

じゃあ、百貨店ブランドや109ブランドはどんなベネフィットを提供しているのでしょうか?

もちろん、個々の販売員さんには、「素敵」といわれるコーディネイトを提案したり、ファッションの知識を提供したりして、きちんとベネフィットを提供しておられる方もいます。

しかし、不振ブランドは、個々の頑張りを除けば、一般的にはベネフィットを提供できていないし、提供できる機能があることを伝えきれていません。ワールドやオンワード樫山、イトキンが展開する各ブランドから消費者はベネフィットを得られているでしょうか?彼らがベネフィットを提供できる機能があるということを消費者が知っているでしょうか。

ぼくはどちらもできていないと思います。だから合計で1600店舗も閉店することになるのです。

そこを見直さないと大手アパレルは復活できないと思います。

個々の販売員さんの力は小さいかもしれませんが、自分が生き残るためにもお客にはベネフィットを提供し続けてください。また自店でどんなベネフィットが提供できるかを考え続けてください。低価格はベネフィットの一つではありますが、必ずしも低価格だけがベネフィットではありません。そこをキチンとできればお店は生き残るかもしれませんし、お店がなくなってもあなた方は販売員として生き残れる可能性が高まるのではないでしょうか。そんな風に思います。

 

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南 充浩
About 南 充浩 55 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿

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