食肉を止めない限り皮革は量産され続ける

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エコ、サスティナブル、動物愛護などの運動が欧米では盛んで、個人的には眉唾で見ているのですが、毛皮が現在のところ槍玉に挙がっており、フェイクファーに乗り換えるブランドも多数出ています。

この流れがレザー(皮革)にまで飛び火してきており「アニマルフリー」のフェイクレザーバッグなんていう打ち出しのブランドを見かけるようになりました。

しかし、個人的にはレザーに対するそういう運動には疑問しか感じません。

毛皮を扱う業者によると、市場に出回っているようなイメージの作業や生産方法ではないと言います。
毛皮はさておき、レザーの場合、牛・豚・羊・ヤギ・馬が食用として屠殺されるたびに自動的に量産される仕組みになっています。

食肉用として屠殺された家畜からは自動的に原皮が生産されます。

合皮バッグをいくら運動家が推奨したところで、原皮の量産は止まりません。
特にバッグや靴に使用される牛、豚は食肉を止めない限りはどんどんと毎日、原皮が量産され続けています。
牛革原皮の主要生産国はアメリカで、日本も原皮はアメリカから多く輸入しています。

どうせ放っておいても生産され続ける物なら、資材として利用した方が効率的です。

毛皮においてもウサギなんかは、欧米では一般的な食材ですから、食肉用として生産された物も多数あるのではないかと思います。

「消費者が求めているんだから文句を言うのはお門違い」

というクソリプが飛んできたことがありますが、毛皮に比べて、皮革に対して拒絶反応を起こす消費者は少なくとも日本ではほとんど見たことがないのですが、何を言っているのでしょうか。

一方で、レザーよりもフェイクレザーの方が良いという消費者もいますが、それはイージーケア、イージーメンテナンスという観点からの方が多いと感じます。

フェイクレザーのメリットは

1、軽量
2、水に強い
3、価格が安い

といったところですが、製法や材質によっては一定年数で剥離が始まる物もあります。
とくにポリウレタンを使用したフェイクレザーは必ず10年以内には剥離が始まります。
ユニクロが「ネオレザー」と名付けたフェイクレザーも商品の下げ札には、「3年くらいで劣化が始まります」と書かれてあります。

一方のレザーは、手入れがめんどくさいですが、手入れさえキチンとできていればポリウレタン製のフェイクレザーの何倍もの年数を耐久することができます。
こうなるとどちらがエコなのかわからないですね。
たしか、イシキタカイ系の人たちのいうエコには「良い物を長く使う」も含まれているのではなかったでしたっけ?(笑)

とはいえ、当方からするとフェイクレザーのメンテナンスイージーも魅力に感じます。

レザー業界も本格的にレザーへの機能加工を開発してみてはどうでしょうか?
例えば軽量化、撥水、防水、防汚などの加工を施してみてはどうでしょうか?

当方は先日、ムーンスターの撥水加工本革サイドゴアブーツを7020円で買いましたが、これがすこぶる機能的で気に入っています。
よほどの豪雨でない限り、本革なのに水が染みこんできません。
また革が薄いのか軽くて柔らかいのです。

ですが、本革ですので、履き続けているとフェイクレザーでは再現できない美しい履きジワが生まれます。
こういう商品がもっと開発されれば、レザー製品の需要も増えるのではないかと思います。
いつまでも「本物ガー」とか「天然の風合いガー」を繰り返していたところで需要も伸びませんし、ファンも増えませんからね。

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南 充浩
About 南 充浩 115 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】

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