根本的な理論が間違っていると正しい結果は絶対に得られない

ロケットやミサイルの打ち上げる際、ほんの1センチずれると、目標に対して何キロメートルも離れてしまうことをご存知でしょうか。
ライフルで狙撃するときも同じです。発射する際、1センチずれるだけで、標的からは何十センチ、何メートルと逸れて着弾してしまいます。

物事はこれと同じで、根本が少しずれていると、その完成形は当初に思い描いていた物とは遠くかけ離れてしまいます。

また、根本が正確でなければ、そのあとでいくらトライアンドエラーを重ねても正解にはたどり着きません。
数学や科学で誤った理論を積み重ねても何も証明できないのと同じです。

例えば先日バズっていたこの記事。

ZOZOSUITの計測データでZOZOの2Bスーツをオーダーしたらとんでもないものが届いた件

https://japanese.engadget.com/2018/09/10/zozosuit-zozo-2b/

ZOZOSUITで計測した数値に基づいて、スーツ(ややこしいな)をオーダーしたら、とんでもない寸法違いの物が送られてきたという記事です。

なぜこんなことになったのかというと、現在のZOZOSUITでは、正確な数値を計測することが難しいからです。
絶対に計測に失敗するとはいえませんが、成功率が高いともいえません。

MB氏や深地雅也さん、河合拓さんなどの間違った測定結果を見ると、少なくとも半分くらいは間違った数値を計測しているのではないかと思われます。
逆にウェブ上で、正しい数値が計測されたという報告を見たことがありません。

ではどうしてそうなるかというと、水玉柄を基準にして計測するという今の手法は、理論が間違っているからです。

まず、測定の「基準」というのは「動かない」ことが大前提です。
しかし、伸縮性のある生地に貼り付けられただけの水玉は、着用者の着方によって着るたびに必ずズレます。
1ミリや2ミリは確実にズレます。

さらに、例えば太っている人が着ると、水玉は伸びます。

こうなると、正しい数値を測定することなんて至難の業ですし、何回も測定すればするほど数値が異なるだけで利用者は混乱します。
ZOZO側も混乱してしまうでしょう。

本来のZOZOSUITは発表当初の物なのです。
量産化に至っていませんから、計測数値が正しかったのかどうかはわかりませんが、少なくとも今の水玉ZOZOSUITよりは正しく計測できたのではないかと推測されます。

ZOZOに対しては「誰もやろうとしなかったことにチャレンジしているからすごい」という評価が多いような気がしますが、根本的な理屈が間違っているので、当方は水玉ZOZOSUITをこれっぽっちも評価しません。
根本の理論が間違っているので、今後いくらトライアンドエラーを重ねても正確に測定できるようにはなりません。

水素分子2つと酸素原子1つを結合させなければ水ができないのと同じです。
窒素原子と炭素原子をいくら工夫してくっつけたところで水にはならないのです。

それはヘボな狙撃手が、発射角度をズラせて見当違いの場所に着弾させるのと同じです。

ZOZOSUITが正しく計測できるようになるためには、根本的な理論を一新する必要があります。

それができなければ、永遠に丁半博打のような当たったり外れたりを繰り返すことになるでしょう。
当方は外野から生暖かく見守るだけです。

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南 充浩
About 南 充浩 163 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】