フランネルとフラノとネルは全部同じ生地を指している

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同じ物なのに呼び名が一つではないものが衣料品業界・繊維業界にはたくさんあります。

例えばネルです。ネルシャツのネルです。これを辞書などで調べてみると、

フランネル素材の略。起毛させたウール主体の織物。綿を起毛させた綿ネルもある。略してフラノとも呼ぶ。

なんていう具合に書かれているはずです。

フラノという生地の名前は聞いたことがありますよね?ウールやウール混の生地で主にジャケット類に使われています。実はこれがネルと同じ生地なのです。

そしてフランネルという生地の名前も聞いたことがありますよね。これがネルなのです。

フランネルを略してフラノ、後半部分だけを取ってネルと呼んでいて、3つはどれも同じ生地を指しているのです。

さて、最近ではネルというとネルシャツが頭に思い浮かぶ人が多いのではないかと思います。本来の「ネル」はウールかウール混ですから、そこらへんで売られている綿のネルシャツとは異なることになり、綿のネルシャツは本ネル(フランネル、フラノのこと)から派生した綿ネルを使ったシャツなのです。

綿ネルは綿厚地織物に起毛加工を施すことで製造されます。もともとは冬用のパジャマに使われていた生地だといわれています。

同じ生地の名称なのに、フランネル、フラノと言われるとちょっと高級なイメージが湧きますし、ネルといわれると1990円くらいのネルシャツが思い浮かぶ人が多いのではないでしょうか。

さらにいえば、販売員でもこの3つが同じ生地を指している名称だということを知らないという人は意外に多いのではないかと思いますがどうでしょうか。見くびりすぎでしょうか。

何年か前に

「近頃の貴方はグレーのフランネルのジャケットが良く似合うようになった」

というナレーションのあるテレビCMがありました。これは40代くらいの中年夫婦が出てくるのですが、ナレーションは女性(妻)の声という設定です。

グレーのフランネルジャケットは若い頃は、顔や皮膚が綺麗すぎて似合わないことがあります。中高年になると適度に顔や肌が汚くなり、似合いやすくなる場合があります。それを世間的には「渋さ」とか「渋み」と呼んでいます。

 

で、若い頃に結婚した夫婦も年を取ってきて、グレーのフランネルが似合う歳になったと言っているわけです。

フランネルジャケットといわれると何となく高級感がありますが、これがネルだったらどうでしょうか。

「最近の貴方はグレーのネルジャケットが良く似合うようになった」

イマイチ安物臭くないでしょうか。同じ物を指していて名称は間違っていないのに不思議なことですね。

それほどに用語にはイメージを左右する力があるといえます。ですから、用語を正しく使うということは重要なのです。特に、業界にいる人には用語は正しく使ってほしいと思います。

 

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南 充浩
About 南 充浩 114 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】

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