(矢野経済研究所より)

こちらのグラフをご覧ください。アパレルの国内市場規模が横ばいなのは周知の通り。このせいか、大手アパレルで過剰出店気味のブランドはここ数年、店舗を増やしておりません。出店計画はあっても、大体は退店とセット。市場規模が伸びていないのですから、出店しても新しい売上が作れる可能性が低いから、この動きは当然でしょう。スクラップ&ビルドと店舗拡大を繰り返し、トータルの店舗数を増やさず売上を微増、もしくは維持しています。セレクトショップの事情も同様なので、リアルな販路でこれ以上商品を流通させるのが難しい状況です。

そこで伸ばしていきたいのがEC売上。実店舗より販管費が少なくて済みますから、ECの比率を伸ばしていく事が出来れば自ずと利益率が上がります。この件に関してはEC担当者なら多くの方がご存知でしょう。しかし、ここ最近新たにリアルの販路でファッションブランドの名前を見るようになってきました。

先日、書店に行った際に見かけたのがこちら。あまり書店に行かない筆者なのでこういった販路がある事を知らなかったのですが、どうやら以前からエコバッグが書店にて販売されており、そこで認知度を伸ばしたブランドも中にはあるようです。

書店以外では、コンビニを販路にしたTシャツの展開(本の付録として販売)も見られます。雑誌の付録と似たようなものですが、こちらはTシャツが主体で本がおまけといった具合でしょうか。(以前から付録目当ての人もたくさんいましたが…)

目的は売上では無い?

Tシャツの件は8万部が完売したとのことで、売上は約1億6000万円。本の原価がどの程度なのかはよくわかりませんが、Tシャツ含めて原価率30%としたら5000万円程度の粗利。委託販売なのかコンビニの買取なのかは謎ですが、ここからコンビニが20〜30%程度抜いていくと仮定するなら1000万〜2000万円程度が残る計算でしょうか。ブランドとしての利益は知れてるのですが、8万着が1ヶ月で流通したスピードを考えると悪くありません。ロゴTシャツはInstagramでもUGCが発生しやすいのでブランド認知とWeb上の口コミの広がりは期待できます。

#mozbook

案の定、UGCが発生している模様。認知度アップにはやはり一定の効果は見込めそうですね。

#エコバッグ

エコバッグに関しては以前からもUGCがよく発生していたアイテムなのですが、やはりここに来て様々なブランドが「レジ袋有料化」に伴いエコバッグを発表。インフルエンサーから一般ユーザーから、ソーシャル上で様々な投稿が見られます。普段使いでも活用できますし、街ゆく人の目にも止まりやすいでしょう。今後、コットンでアイボリーのエコバッグばかりだと目に止まりにくくなってくるでしょうから、デザインが凝ったものも出てきそうですね。

 

上記アイテムは低価格商材という事から、本屋やコンビニで置いてあっても購買する事にストレスがありません。結果、流通量が増え、ブランド認知が高くなるといった具合でしょうか。この効果によって認知度を高めたケースも事例としてはありますので、ブランドとして上手く活用したいところです。

特に実店舗が無いブランドにとってUGCの発生指名検索の増加は、EC売上を伸ばす為にも重要な戦略になるでしょう。但し、「これがあるからブランドとして成功する」という事でも無いのはご注意ください。10数年前、cherというブランドが雑誌「SWEET」の付録で100万部を超えるヒットを飛ばし、街中はcherのエコバッグだらけになった事もありますが、ブランドとしては2017年に終了。UGCは認知されるきっかけにはなりますが、継続していくには大元の商品自体に魅力が無ければ継続しない事をお忘れなく。

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