ファッション関連のニュースウォッチが趣味の筆者ですが、数年前から変わらずニュースに出てくるワードと言えばやはり「D2C」でしょうか。今、市場で活躍しているブランドは2015〜2017年くらいに創設されているものが多く、まだこれだけニュースに取り沙汰されたり、D2C支援サービスが乱立する事に驚いています。中には「ちょっと言い過ぎでは…」というようなニュースも報道され、あたかもD2Cである事が成功要因のように語られる事もしばしば。

筆者も仕事柄、インフルエンサーがディレクションするD2Cブランドのデータ管理をする事もあり、多少なりとも知見はありますので、完全に筆者の独断と偏見に基づく今のところ「成功しているブランド」をピックアップして、何が成功要因なのか探ってみる事にしました。

EmiriaWiz(エミリアウィズ)

emiriawiz

元キャバ嬢であり、小悪魔agehaの専属モデルだった愛沢えみりさんが手がける2013年に創設されたアパレルブランド。筆者も以前、キャバ嬢御用達ショップの店舗を管理していた事があるのですが、彼女たちは仕事上、毎月ドレスを新調しますので確実な需要があるんです。お金持ってますから購入単価も高い。昨今、キャバ嬢のインフルエンサーをYouTubeやInstagramでよく見かけますがエンゲージメントが非常に高いのも特徴ですね。ターゲットが明確であり、エンゲージメントが高く、購入単価も高いとなると商売としては成り立ちやすいでしょう。

店舗展開は新宿に1店舗ですが、Webと合わせて数十億円は既に売っているのだとか。

 

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. emiriawiz 2020S/S WEBカタログ掲載 . . バックレースアップフレアワンピース ¥15,800+tax . . 【新宿店ヘアセット&ネイル】 emiriawizでは、 《公式サイト・新宿店・Popup store(レシート有り)》 にて商品のご購入がある方は 会員様限定でネイルはオフが無料、ヘアセットは何度でも無料でご利用いただけます♡ 完全ご予約制となっておりますため、 弊社カスタマーセンター及び新宿店LINEまでお気軽にお問い合わせください♡ . #emiriawiz #fashion #ss #2020ss #onepiece #エミリアウィズ #ワンピース #カタログ掲載 #愛沢えみり

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ネイルとヘアセットのサロンも併設されていて、商品を購入された会員はネイルもしくはヘアセットが無料で提供されるサービス付き。こういったサービス展開も強みの一つでしょう。

Ameri VINTAGE(アメリヴィンテージ)

マークスタイラーのEMODAでVMDを務めていた黒石奈央子さんが手がける2015年創設のアパレルブランド。今や直営展開は3店舗、卸もしっかりやってますからD2Cと言われると?となる方もいらっしゃるでしょう。今回ピックアップした理由は、オンラインからスタートし、ブログ・ソーシャルで成長したという点。メディアの報道では現在、年商30億円でEC化率60%と完全オンラインメイン。自己資金で小資本でのスタートからここまでの拡大はまさにD2Cとしてお手本と言えるのではないでしょうか。

黒石奈央子オフィシャルブログ

個人的にいつもすごいなぁと思って見ているのが黒石さんご本人のブログの更新頻度。ほぼ毎日更新していますし、トップがここまで熱量込めて更新しているケースってあまり無いんじゃないかと思います。

当事者の熱量がブランドを成功へと導く

当事者の熱量がブランドを成功へと導く

これに関しては以前、取材した時の様子と合わせてトプセラでも書いてますね。

https://www.instagram.com/stories/highlights/17862522958811874/?hl=ja

ソーシャルメディアでの丁寧な告知やライブ配信についても評価が高く、最近では黒石さんのYouTubeまで始まってますね。働きすぎでは…。

COHINA(コヒナ)

COHINA

田中絢子さんと清水葵さんが2018年に立ち上げた課題解決型ブランドのcohina。運営するのはmery創業者の中川綾太郎氏が率いるnewn。中川氏という投資家がバックについている事から資金は潤沢にあるようですが、D2Cによくある販促じゃぶじゃぶで不採算だけど売上が伸びている、という訳ではなさそうでとにかく消化率が高いのだとか。

やはり秀逸だったのはコンセプトメイクでしょうか。今や、身長が低い人の為の服が乱立し出しているアパレル市場ですが、その先駆者的存在ですね。中にアパレルの人材を取り込み、商品力向上に注力したのも成功要因としては大きいでしょう。

先述した2ブランドと違い、中心人物のインフルエンスを利用しての販促が一見すると見られません。が、日々Instagramを閲覧していますとめちゃくちゃコンテンツ量が多いです。「骨格タイプ別着回し」や「デニム診断」・「他ブランドのフリーサイズとの比較」など、ブランドコンセプトに紐づいたコンテンツを高い頻度とボリュームある内容で更新。中の人の熱量を感じます。ディレクターのフォロワー数が多くなくとも、コンテンツで影響を及ぼしているのではないかと思われます。(ご本人が発信する「おちびちゃんねる」というYouTubeもありますね。)また、インスタライブの頻度も半端なく、売上獲得の為の重要なツールになっていそう。以前の報道では月商5000万円を突破と記載されていましたが、今はもっと伸びているようですね。

Herlipto(ハーリップトゥ)

Herlipto

元AKB48の小嶋陽菜さんが手がける2018年に創設されたアパレルブランド。ご本人が超有名人という事もあり、売れて当然と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、同じく元AKBの篠田麻里子さんのブランド「ricori」は約1年半程度でクローズしています。

ECサイトはBASEを採用していてそこにお金はあまりかけていないようですね。お金があるからといって無駄に費用かけないところが好感が持てます。インフルエンサーブランドの特徴ですが、入り口がソーシャルだからコンテンツもソーシャル中心に展開され、ECのサイトコンテンツはシンプルというケースが多いです。


シーズン毎に限定ストアを出店し、そこで商品のお披露目と受注を取るという形式。こういった手法は他のブランドでもよく取られている手法ですが、こじはるさんの場合、これで普通に数千万円の受注が付くそうで規模感が違いますね…。ちゃんとファンを囲い込んでいるところを見ると、限定ストアがちょっとしたコミュニティ形成の起点になっているように感じます。(東京コレクションでも限定ストア出してましたね。)

個人のソーシャルアカウントを見ても普段からとにかくブランドについて拡散していますし、本人のライフワークになってきているのでは。

4ブランドほどピックアップしてみましたが、共通して言える事は結局当事者の熱量。(最近これしか言ってない気がする…。)店舗が無い・もしくは少ないからこそ、Webコンテンツでいかに影響を与えるか。コンテンツを見ればどれだけ手間がかかっているかわかりますし、それがWeb上でもユーザーには伝わるようですね。代理店に適当に振ったインフルエンサーマーケティングやSNS広告を散弾銃のように打つのではなく、自分の頭と手を使って泥臭く実行する事が何よりコスパが良いのかもしれません。

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