ファッション業界でバズワードになっている「サステナビリティ」。

どの企業も、製品や展示会のテーマに差し込まないといけない義務でもあるのか?という程、取り入れてきています。ファッションで起業を考える若者とお話していても、まず出てくるのが「エシカル」「サステナビリティ」であり、社会貢献をしながら事業を立ち上げたいという空気が盛り上がってきているようにも感じられます。

そんな中、リユース事業の観点からサステナビリティを実現しようと起業した、異色の経歴の持ち主である桂茉利子さんに、そのキャリア形成についてお話をお伺いしてきました。

 

桂茉利子(かつら まりこ)(@JasK_official
海外留学を経て、ITコンサルティング会社に就職。2017年にファッションと「ヒト」と「仕事」との関係を変えるスタートアップMODALAVA株式会社を設立。リユースをメインとしたプラットフォームの構築を目指し活動中。

 

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・なぜ留学しようと思ったのですか?

 10歳くらいの頃から「日本を外から見ないと『日本人』としての自分のアイデンティティが完成しない」という思いがありました。公立の中学校へ通ったのですが、人権侵害じみた校則を守ることが絶対正義という校風が合わず、学校へは半分ほどしか行かずに卒業しました。

高校は大学進学と治安を考え、日本国内で外国人選抜のある公立校を選びました。NYでの短期留学を単位として認めてくれたり、海外情勢については英語で学ぶ、第二外国語を早いうちから学べる、政治について学生が主体的に思考して良い、卒論を英語で書く、など海外大学進学時にも違和感のないカリキュラムでした。創業パートナーのひとりともこの学校で出会いました。

海外大学への進学は自然な流れでした。費用を抑えながら、フォトジャーナリズムを専攻するため、LAのカレッジに入学しましたが、その後紆余曲折あり国際ビジネスへ理系転科してビジネスの強い大学へ編入しました。

 

・なぜITコンサルティングの企業に就職しようと思ったのでしょうか?

将来的には起業を考えていたので、新卒修行期間としては「日本を代表する大きな企業のビジネス」を「外部の立場から俯瞰的」に「経営層と協業」し、「短期間で他のプロジェクトへ移る」こと、かつ「新卒年俸500万円以上」を基準としていました。

それを満たし、ITのスキルが身につくということ、ソフト面では天才的な奇人変人がダントツに多そうな会社だったことも決め手でした。

 

・その会社ではどのような経験を積み、それが現在どう活きていますか?

「出来るだけ少人数で在籍期間中に幅広い経験をしたい」という当初の要望通り、大手製造業のグローバルデータベース連携、コンビニの店頭端末追加機能開発、運送業の会計システムへの影響調査、自動車会社への提案書作成、飲料会社の営業支援ツール作成など様々なクライアントに関わらせていただきました。

業務では、要件定義から開発(プログラミング)、テスト等、こちらも幅広く携わらせて頂きました。

全体視野を持ちながら、手元の作業を積み上げていく事で、物事の本質を掴み最適解を追求する姿勢はこの期間に養われたと思います。

 

・何故、ファッション業界で起業しようと思ったのでしょうか?

ファッションの抱える問題の根が深く、テクノロジー単体での解決は不可能だというところに興味を持ちました。また、共同創業パートナーがNYのFIT(Fashion Institute Technology)を卒業して数年、ブランドでの経験を積んだタイミングでお互いのやりたいこととリソースが合致したというタイミングの面も大きいです。

個人的なところでは、ファッションは好きでしたが、社会のプロトコル上好きな服を毎日纏えないもどかしさを日々感じていて、もやもやすることの多い分野にチャレンジしたいという思いも大きかったです。

 

・アパレルは金銭面が理由で離職する人が多く、桂さん自身も問題視されていますが、現在具体的なアクションは何かありますでしょうか?

インスタ投稿で出品販売できるCtoCサービスから事業を始めました。この事業では、「売買」をエンゲージメントとして「本人使用の中古品をコミュニケーションしながら売れる」ことをインフルエンサーの価値として計測していました。これにより、ファッション好きな方がアパレルでの会社勤めを辞めた後でも、1日5分の作業でキャリアを実績として積み上げることを想定していました。

サービス提供開始2017年当時の認識では、広告媒体としてのインフルエンサーに求められるものが、リーチという数字一辺倒であったことから、この構想は一旦ピボットしています。(サービスは「Open Closet」シリーズとして、イベント型O2Oフリマサービスとして残っています。)

現在はリユース色の強い事業をメインとしていますが、逆商流を利用したD2SC(Direct to Supplying Customer)型のモデルで、ファッションスキルを個人がマネタイズする方法を考えています。

 

・これから桂さんが目指すファッション業界のあり方はどのようなものでしょうか?

ファッション業界の一番の魅力は「好きなことを好きだということが仕事になる」と感じています。また、特異な点として「ファッション好きな人は一生ファッションが好き」、だけどおそらく生活の中で無くても困らないのもファッション。これは他の業界ではあまり見ない特徴だと思います。

一方で、自分が40代、50代になった時にファッション業界に積極的に身を置きたいと思う人がそう多くないことも事実だと思います。キャリア解像度が低いということは、人材としての成長も限られたものになってしまうので、そういった意味でもサステナブルな業界として再編していく必要があると日々感じています。

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当初から起業を志していた桂さんですが、その前段階での準備として就職という形を取られています。自分がどんなスキルを身につけて何を成したいか?がスタートであり、逆算して今何をすればいいのかを考える事の重要性を改めて考えさせられます。事業内容も「誰の問題を解決するか?」がしっかりと根本にあり、ここにも自身がやるべき意味を見出されている印象が強く残りました。

桂さんは中学生の頃から先を見る目が養われている特異な存在ですが、キャリア形成に早い遅いはありませんので、ぜひこの視点を多くの方が参考にしてもらえたらと思います。

 

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「 「MODALAVA makes the world RIGHT and IN STYLE」を理念として、2017年に設立。ファッションを通してサステナブルを実現させるミートアップイベントの開催や、EC事業、さらにはファッション二次流通のインフラ化を目指す「#ootd専属買取クラブ」などの運営を行う。」

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