みなさんごきげんよう!AYATORIの深谷です

アパレル業界で11年ほど働いてきてたり携わっていますが、思えば高卒で店頭に入ってから、いままで20くらいのブランドプロジェクトに関わってきました

で、そんな中いつものコミュニケーションで「売れてんのー?」って聞かれることがあります、そりゃもうめちゃくちゃあります、会う人会う人に聞かれるんじゃないですかねw

でもいつも困るんですよね、相手のステータスを考えながら「どうこたえようかな?」って模索しながら回答しています

「売上」を聞いてるわけでもあると思うんですが、「ブランドそのものが最近どうなん?」みたいな文脈にもとれますし「利益」が出てる!てだけでは語りきれない部分が多いからです、そしてそれは「ブランドの世界観」や「ブランディング」といった抽象的なものともまた違うKPI(目標数字)が存在するからだと思ってます

「売れてる」という言葉を少し広義に捉え、売上だけではない部分でブランドをどこで評価するのがいいのか?考察していきます

逆説的に「売れてない」って何?

逆に「売れてない」ってどういう状況を示すのでしょうか?

良く巷では、「初日2,000万円!」「好調ブランド!」なんてよく聞きますし、前年比○○%成長!なんてのも「売れてる」の同義となるのでしょうか?好調でも規模が大きくない。や、前年300%とはいえ、1,000万の売上が3,000万になる。みたいなことは年間数十億の売上をあげてる企業やブランドから見たら微々たるものだったり

売れてないイメージとして、一番良く言われ、わかりやすいのは「前年比未達」そしてもう一つは「予算未達/下方修正」といったところでしょうか

「前年比未達」についてはトレンドの流れが大きく起因しますよね、波に乗れれば売上は右肩上がりで上昇しますが、少し外れるとマス層が離れるので下方するのはいうまでもありません。さらにいうと少子高齢化の我が国では市場が少しづつ小さくなってるのはいうまでもありません。

しかしここで問題なのは「予算計画」および「MD計画」なのです。上記のような売上減の外的要因が多く存在するのに内的戦略で前年を越えよう!とチャレンジするのです。

それは中小規模なら当たり前といえば当たり前なのですが、大手企業でも同様です。むしろ大手の方が前年より高い売上を狙うと言っても過言ではないのでは?とも思います。

これはすばり「出店先が前年超え」を求めるからっていうのがあったりするのでは?って思ったりします。基本的に上昇し続けることを求められる出店先のファッションビルや百貨店にはブランド側が頭が上がらないケースがあります。

つまり「売上が下がる要因がしっかり揃っていても」前年を超えていくことが求められており、無理な計画を立てざるを得ない状態になるので、結果「前年比未達」「予算下方修正」ということが起こり「売れてない」というレッテルが貼られ、無理をした会社は歯車が狂い続ける。という仮説が成立するのです。

では「売れてる」は何を見て判断するのが良い?

それを踏まえ、売れてるの判断基準として考えなければいけないのに「売上高」だけではいささか不十分なのではないでしょうか

結論的に言ってしまうと、みるべき重要指標(KPI)は「消化率」だと考えています。消化率とは「販売原価」÷「仕入れ原価」で計算されます。例えば年間100万円の仕入れを行い、90万円分売れれば、消化率90%となります。

ただ消化率と言っても2つの目線でみるべきです。

①プロパー消化率
これは定価で商材が販売された比率となります。値下げしていない商材が仕入れ金額に対してどれだけ売れたのか?の指標です。実はここが非常に重要で、MDやDBの腕のみせどころとなります。

例えば原価で100万仕入れ、65万分売れたとすると消化率は65%です。例えば原価率32%で販売できているのであれば約200万売上がたちます。そうすると販売管理費を含む経費が売上に対して50%掛かっていたとしても

入金200万-仕入れ100万-経費100万=0

という風にお金的にはトントンに着地できます。セールでいくら消化できたとしても、販売手数料に加えてその他販売管理費が掛かってしまっては上記の計算であったとしたら少しでも値下げした時点で赤字になってしまうのは言うまでもありません。

そして何より「値下げしないで売れる」つまりプロパー消化率が高い。ということも「そのブランドが売れてる」と言われるべきひとつの重要な指標となると思います。

②最終消化率
そして次に最終消化率なんですが、上記の例えで言うと35万分の在庫があるので、上代換算すると約110万ほどの在庫がありますが、これを大体はSALEで売ります。どれだけキャッシュに変えれるか?という戦いになります。

OFFしすぎると赤字になるのは言うまでもありません。なるべく高い金額で換金したいところです。しかしここで重要なのは「最終消化率」から導き出される「残在庫」です。

つまりどれだけ「残ったか」=「どれだけ消化できたか?」となります。作った物が売れるのであれば、それはビジネスとして成立する手法があります。が、最終消化率が悪い。ということは「売れてない商材がたくさんある」ということなのです。

戦略的に売れなくても良い。という物があったとしても、どんなに原価率の効率がよかったとしても「売れない商材がある」ということはその分「お金を無駄」にしてる可能性が非常に高いということです。もちろん継続品やトレンドサイクルの観点はあるので一概には言い切れませんが

断言しますが、売れてるブランドというのは上記の2つの指標が「好調」であるということが大前提であり例外はイメージしにくいです。よく言われる指標としてはプロパー消化率65-67%、最終消化率92%以上となります。(余談:高けりゃいいってものでもなく高すぎる=在庫が足りない。となります、しかしそれを付加価値にしてるブランドもあります、むしろ最近多いかも)

例えば初日2,000万の売上をとった店舗が年間3億の売上(月平均2,500万)だとしてもプロパー消化率が50%で、最終消化率が80%在庫が余らせてしまっているのであれば、これは多分、家賃18%の540万、人員5名(少ない?)(20万×12ヶ月=240万×5名=1,200万)の経費で両方合わせて1740万円になりますので、赤字になってしまうのです。

下記試算も見てもらえればわかると思うんですが真ん中の計算(P消化64%、最終消化90%)でギリギリです(その他に費用発生したらそこで赤字です)

※原価32%でBの売上原価65%にしてます(平均50%OFFくらい※本当はそんな行かないと思いますけどw)P=プロパー B=バーゲン
※ざっと計算したので間違いあったらすみません

さいごに

いかがでしたでしょうか?

このあたりの数字を握るのは、大体MDという仕事の人で、深谷はその業務が大好きなんですが、上記で言ったように「無理な予算設計」をさせられ「机上の空論」を掲げさせられる場合があります。

そんな時は裏側にもうひとつ手堅い「裏の予算表」を持って置いて、下方修正した時にすぐに取り出せるようにしてたりしてました、利益死守が最優先なので

言うまでもなく、ただでさえ厳しいこの業界で、「手堅い予算」を初めから全力で計画してる人達には比べ、「無理な予算」の戦略を立てることに労力を裂き、結局辻褄が合わせにくくなり悪い結果に終わってしまうこともあります。

その辻褄合わせ=修正が多大な労力であり、結果どこかにシワ寄せが行ったり、販売員の給料が少なかったり、大量の残在庫などに繋がってしまってるところが多いのではないでしょうか?

つまり「売れてるブランド」というのは「プロパー消化率と最終消化率が良い予算計画やMD計画の実行ができている」ということがもっとも「売れてる」と言って納得のいく実績だと思います。

そしてMDの方はこの「裏の予算表」もしくはストレッチが効くように設計された予算表を実は持ってるひとたくさんいるんじゃないかな?って思いますw

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