最近はネット通販、ECへの注目が高まっています。
実店舗が営業していない時間帯でも購入してもらえるため、うまくやれば売上高が増える可能性があります。
あくまでも「うまくやれば」です。
実店舗での売れ行きが厳しいことや、卸売りメーカーからしても卸先の減少などがあるため、
小売店、卸売りメーカー問わずネット通販を手掛けておくことが常道となりつつあります。
そのため、各社そろってEC、ネット通販の強化に取り組んでいます。
もちろん何もやらないよりはやっておいた方が良いのですが、ここにきて不思議な風潮が蔓延しています。
EC売上高比率が高ければ高いほど良いという風潮です。
逆にEC比率が低いブランドは落ちこぼれと言わんばかりです。
その風潮に乗っかってきているのが、食い詰めたようなロートルのコンサルタントたちです。
彼らは「EC化比率は30%が望ましい」と言います。
しかし、果たしてその30%という比率は何の根拠があるのでしょうか?
まったく理解できません。
この手のコンサルタントはユニクロを「EC化比率が10%以下だから評価できない」と決まって言いますが、
ユニクロのネット売上高を見ているのでしょうか?
ユニクロのネット売上高は年間で450億円もあり、アパレルの単独ブランド売上高としては、国内1位です。
トウキョウベースのEC比率が30%であろうと、ナノユニバースのEC比率が40%であろうと、金額的にはユニクロの足元にも及びません。
トウキョウベースだとEC売上高は30億円前後というところでしょうか。
ユニクロよりも10倍高い商品単価でありながら、EC売上高は15分の1くらいしかないということです。
逆にいうとユニクロはネットでどれだけの数量を売っているのかということになります。
それはさておき。
一体何をもってEC比率30%が適正という言葉が出てきているのでしょうか。
各社の売り上げ規模も扱っている商品も展開しているブランドの立ち位置も全部異なります。
すべて異なっているのにどうしてEC比率は一律に30%が適正なのでしょうか?
事業計画というのはそういうものではありません。
仮にEC比率が5%だろうと10%だろうと、その企業やブランドが自分たちにとって適正だと判断し、収益性が確保できているのであれば、それで良いのです。
外野が「EC比率を30%まで高めるべきだ」などというのは余計なお世話です。
そういうことを言うロートルコンサルタントに限って自分ではほとんどネットを扱わなかったり、いまだにHOMEPAGEなどと表記したりしているのです。
2017年現在においていまだに「HOMEPAGE」などと表記するようなコンサルタントが正しいネット戦略を語れるはずがありません。
永江一石さんが、「ウェブサイトのことをホームページというような業者は論外だ」というような意味のことをブログで書いておられますが、まさしくその通りです。
アパレル業界はIT化が著しく遅れている業界ですので、いまだに「HOMAPAGE」コンサルタントが跳梁跋扈しているのです。
賢明な方々はくれぐれも「EC比率30%が望ましい」という言葉には踊らされないように気を付けてください。
【TopSellerの執筆者が書く「表では話せない話」はこちら→トプセラ×note】
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