アパレル業界の真の問題点とは?

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どうも南充浩です。46歳バツイチ独身、親父と二人暮らしです。

 

つい先日、経産省からアパレル業界への提言があり、業界では話題になりましたが、みなさんその記事は読まれましたか?

 

http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/seizou/apparel_supply/report_001.html

 

まだの人はここからどうぞ。

かなりの長編です。

 

アパレルやみなさんの所属するブランドにとって耳の痛い話ばかりです。

簡単にまとめると、アパレル業界が「無難」なトレンド品を打ち出し、供給過剰になって値崩れしていることに対して、その解決策を「クリエイティブな商品を強化する」とか「クリエイターを育成する」という内容を提言しています。また、読売新聞の記事ではその続きとして

 

百貨店とアパレル企業の間で一般的に行われている委託販売を「小売り側が売れ残りのリスクを負わず、過剰な注文・在庫が生じやすい」要因とし、アパレル企業の直接販売などへの見直しも促す。縫製などを行う製造業者に発注した商品を引き取らない商慣習が一部残っていることも問題視し、製造業者の経営を衰弱させているとして是正を求める。

 

ともあります。

 

この指摘はまったく正しいといわねばなりません。

メーカーから商品を買い取らない百貨店。売れ残り在庫を縫製工場や織布工場へ不当返品したり、未引き取りを平然と行うアパレル各社。これが国内の製造業者を数十年以上にわたって痛めつけてきたのは紛れもない事実です。現在でも不当返品、未引き取りは続いています。みなさんの属しておられるブランドも多かれ少なかれそういうことを一度はやっています。

 

この問題はまた別の機会に考えるとして、今回注目したいのは前部分です。アパレルブランドの値崩れの解決法が「クリエイティブな商品の強化」とか「クリエイターの育成」となっていますが、個人的にはこれでは解決できないと思います。いかにもお役所的モノヅクリガー思考だと失笑してしまいます。

クリエイティブな商品ってどんな商品でしょうか?飛び切り変わったデザイン、色柄の服でしょうか?そんな物はよほどのマニアに少数しか売れません。そんな変わった服を作り出すクリエイターを育成しても洋服の値崩れは解決しません。

 

洋服がなぜ値崩れするのかといえば、最大の原因は需要と供給がアンバランスだからです。

需要に比べて供給量が圧倒的に多すぎるのです。ですから経産省と識者は「個性的な洋服を適正量作れば値崩れしない」と考えたのだと思われます。これはたしかに一理ありますが、じゃあその生産量を誰が決めるのでしょうか?まさか政府や経産省が決めるのでしょうか?資本主義国家において政府や役所が各産業の生産量を決めることはほとんどありません。電力や食料など生活の根幹にかかわるものはそういう取り決めがありますが、嗜好品たる洋服にそれを適応するのはおかしな話です。

いくら個性的なデザインの服を作ろうと需要に対して供給が多すぎれば絶対に期末には値引きで売りさばきます。スーパーマーケットの閉店前の食料品と同じです。

 

ましてや個性的な洋服になればなるほど需要は少ないですから、供給量を少し増やしただけで必ず売れ残って値崩れを起こします。

 

すみません、長くなりましたが、洋服を値崩れさせずに売るために重要なことは、販売の力です。このほか、広報や販促などの力が必要です。企画製造側の努力だけではどうしようもありません。

販売員のスキルがこれまで以上に求められるのです。決して押し売りではなくその洋服の持つ価値を正しく消費者に伝えることができる販売員が本当は今こそ必要なのです。経産省も識者もこのポイントに気が付いていないので、この提言は結局失敗に終わるでしょう。

販売員不要の時代だからこそ、優れた販売員が求められています。そのことを自覚して生き残るために、日々スキルアップを図ってください。

 

こちらからは以上です。

 

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南 充浩
About 南 充浩 64 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿

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