学校には期待できない?ファッション専門学生の就職事情

ファッション専門学校生が就職に苦戦する理由はさまざまありますが、大きく分けると2つの要因があります。

 

  • 専門学校での教育内容が世間の実情に即していない
  • レベルの低い専門学校生が多い

 

この2つです。

 

まず、①についてですが、これは多くの人が書かれています。ざっとまとめると、デザインやパターンなどの「作ること」に重点を置きすぎていて、通常のアパレル企業が行う「ファッションビジネス」に対する教育が少なすぎます。

その理由は教員の多くが現状のアパレル企業に対応した知識と技量を持ち合わせていないからです。ファッション専門学校の教員の多くは、専門学校卒業後すぐに教員になったり、ごくわずかな企業在籍期間を経て教員になったりしています。これでは実際の企業が求める能力など理解できるはずがありません。

また老齢の教員は、かつては企業で実績を積んだかもしれませんが、企業から離れて長期間が経過しています。当然、最新の情報やノウハウを持っていません。

また学校経営者もアパレル企業の勤務経験のない人が多くいます。

こういう経営者や教員が作るシラバスやカリキュラムが実務に対応できていないことは当然と言えます。

 

次に②についてですが、これまでファッション専門学校に幾度か携わった経験からすると、大学進学をする学生よりも学力の低い生徒が集まる傾向にあります。すべてそうだとは言いませんが、その割合は非常に高いと感じます。

ファッション専門学校志望の高校生とも接触する機会が多くありましたが、「私、分数の計算ができへんねん」とか「%って何?」という高校生がかなりの比率でいました。分数も百分率も小学校で習いますから、彼らは小学生並みの学力もないということになります。ファッション専門学校に入学するのは、それほど困難なことではなく、入学試験も形式的なものに過ぎません。よほどのことがない限り志望者は全員入学できます。

生徒数が減っているご時世ですから入学のハードルはますます低くなります。分数も%もわからない生徒も多数入学します。

こういう生徒が2年後、3年後にアパレル企業に就職を希望するわけですが、企業側が採用したいと思うでしょうか。ほとんどの企業はそう思わないでしょう。

 

ファッション専門学校改革は急務ですが、それが始まったという話はいまだに聞いたことがありません。ではどうすればよいのか。ファッション専門学校生は自衛して自ら学ぶほかないでしょう。もうすでに就職できている人たちは仕事をしながら学ぶことで自らを有為な人材へと変えるほかありません。経営の不安定な企業が多いアパレル業界において、有為な人材となることが、最大の自衛策と言えます。

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南 充浩
About 南 充浩 51 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿

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