天が一物も与えてくれなかった時、デザイナーはどう戦う?

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天は二物を与えず、なんて言いますが、たまに三物くらい与えられているひといますよね。一個ちょうだい。

デザイナーとして、クリエイターとして、ディレクターとして

今現在お仕事をしているものの、わたしは出たての頃「才能に恵まれなかった」タイプのデザイナーです。

専門学校時代の黒歴史は今だに笑えるほど真っ黒で、もうファッションやめようとなんども思いました。

同じ学年にはアーティスティックな服を作り賞を取りまくる人、夢でこんなデザインの服を見た!と一気に20体のデザイン画を書き始める友人・・・。

そういったことは全くできない。

なぜそれで今もまだこの業界にいるのかは今回は置いておくとして、今回は天賦の才に恵まれなかったとあるデザイナーの戦い方をほんの一例としてご紹介します。

 

「センス」っていったいなんなんだろう。

このアパレル・ファッション業界でよく使われる言葉、「センス」ですけど、この言葉いったいなんなんでしょうね。

洋服のセンス、デザインのセンス、

喋りのセンス、文章のセンス、販売のセンス・・・・

日本語を操り25年と少しでしょうか・・・

なんと使い勝手のいい言葉なんだ!と人生も四半世紀を過ぎて驚きを隠しきれません。

世の中にはまだまだ知らないことがたくさんあるんだということがわかったところでですね。

この「センス」とか「才能」皆さんの世界でも使われますでしょうか。なんとなくぼんやりした、不安を煽る言葉になってたりしないでしょうか。

まず断っておくと、「世の中に天才なんていない!みんな努力してるんだぜ!!!」なんて綺麗ごとをいうつもりはまるでないのです。

世の中に、きっと「天才」はいるんだと思います。

むしろ「お願いだから天才の部類であってくれ。努力の結果だと言わないでくれ」と思うことも多々あります。輝きが眩しすぎて私は直視できません。はい。

北海道の片田舎で、毎日ジャージで山に入り、海に潜っては貝を獲って過ごしてきた人間に「ファッションセンス」なんてものがあるはずがないのに、この業界に入ってきてしまった。

かといって、センスがなきゃないで、やっていけないのがこの業界。

一応やっていけてるところを見ると、わたしの「センス」の部分はまったくもってまだまだですが、なんとかなっているようです。

なんとかするためにこういうことをしています。

 

天賦の才がないなら、最適化で生き抜く

前述した通りわたしには「天賦の才」みたいなものはなかったわけで、

この世はサバイバル。まあ苦労しました。

学生時代に関して言えば、アーティストのように独創的な服を作る人を見て「あれがいいのか・・・あれがいいならどうしたら・・・」といろいろこねくり回して迷走したり、社会人になってからも売れる商品をバンバンだす先輩の背中を見て失礼ながら「あれがどうして売れるのかよくわからん・・・」と思ったりしました。

あ、インターンの頃デザイン画を100枚描いて全部ボツになるを三回繰り返した話とかします?

でもようやく気付くわけです。

「この人が作ったブランド」で仕事をして認めてもらうためには、「この人が何を見て何を食べどんな芸能人が好きでどこに住んでてでも本当はどこに住みたくてどこ出身で洗剤は何を使ってて・・・・・etc」

がわかってなくてはならない!と。

要するに同じ感覚になればいいんじゃないか。ということを考えたわけです。

これは”売る”ものを作る時にとても大事になる「ペルソナマーケティング」に近い話ですが、デザインする目的に対して最適な要素を取捨選択し生み出していきます。

これをわたしは”最適化”と呼んでいます。

 

最適化とはなんぞ

当時、何かをデザインしたり作ったりするには、たくさんの情報が必要でリサーチをしまくる必要がある。というのはなんとなくわかってきました。

そうやって引き出しをたくさんたくさん増やしていく努力を片方でしなくてはならなかったわけですが、これがまた楽しい。

そうして増えていった知識の引き出しがどどん!!!とたくさんあるわけです。その引き出しの中から、各案件に対して最適と思われるものを選び、時に掛け合わせたり、割ったり、上澄みだけすくい上げたりしていく。

これをわたしは最適化と呼んでいます。

この引き出しの要素が細部に至れば至るほど、

他分野の知識になればなるほど、

最適を導くための式は複雑になっていく。

それがいつしか、自分の型になっていく。

なのでわたしがやったことと言えば、とにかく必要だと思える内容は”ミーハー”と言われてもいいから学ぶこと。

 

最初は服を作るデザイナーでしたが、コレクションのマネジメントをするようになってチームビルディングや組織論の本も大量に読みましたし、経営者に話を聞きに行きました。

プロダクトデザインやブランディングを行うためにCIデザインに近いものからDTP、webデザイン、マーケティングを学びながらも哲学的なデザイン論の本を読むなどわからないことは勉強し、今もできる限り勉強し続けるようにしています。

場合によっては物流、歴史、言語なども。

単純に聞こえる”最適化”という言葉は、このようにあらゆる視点から多角的にものを見ることで複雑な立体のような様相になっていくと思っています。

デザイナーとしての生き方に迷っているという相談をよく聞きます。

いまやデザイナーに求められるスキルは多岐に渡り、難しい時代になってきました。

”才能”という言葉に押しつぶされないような、そんなやり方もあるんだということを伝えることができれば、また今後の職業自動化戦争のなかで、必要とされるデザイナーになるための一つの実践方法としてお考えいただれば、幸いです。

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中溝 雪未
About 中溝 雪未 41 Articles
1990年生まれ。コレクションブランドの企画室でインターンからデザイナーアシスタントとして勤務。その後アパレルブランドで布帛・ニットをはじめとするデザイナーの経験を積み独立。現在フリーランスとして企画・デザイン・パターンを担当。 プロダクトアウトなものづくりからマーケットインまで、偏らないバランス感覚を武器に、コンセプトメイクからお客様に届くまでをディレクションするプランナーとして業界を問わず活動中。

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