知識はなるべく多い方が良い

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スタートトゥデイのプライベートブランド「ゾゾ」が発表になり、「完全オーダーメイド」を謳っているのに「即日納品」はおかしいということを自分のブログやNOTEで何度か書きました。

プライベートブランド「ZOZO」の生産システムは、現時点では「完全オーダーメイド」ではない
https://note.mu/minami_mitsuhiro/n/nc6e9da2bffeb

プライベートブランド「ゾゾ」のすごさは商品ではなく、そのプロモーション手法にある

プライベートブランド「ゾゾ」のすごさは商品ではなく、そのプロモーション手法にある

物理的にあり得ません。

製造工程はもちろんのこと、輸送という部分で考えてもそれは物理的にあり得ないのです。

販売員の人や、アパレルの商品デザイン、PR、スタイリングなどに携わる人は、えてして「製造のリードタイム」「輸送のリードタイム」を勘定に入れずに物事を考える傾向が強いと感じます。

例えば、ゾゾのジーンズの初回オーダーは中国工場で縫製、洗い加工がなされます。
「完全オーダーメイド」と謳っているのに、なぜか初回ロットが3万本もあるという可笑しさ。(笑)
まあ、それは置いておいて、数時間で縫製したとして、そこから日本のお客の手元に届くには、そこから最低でも2日や3日は必要になります。

ゾゾのジーンズは3800円です。

こんな低価格の商品を1本ずつ飛行機で空輸するはずがありません。
あまりにも割に合わないからです。
となると、ある程度作り置いて貯めてから船で送ることになります。
船で日本から中国には少なくとも3日間くらいはかかります。

以前に、大阪の南港から高知県までフェリーで行ったことがありますが、夜に出航して着いたのは早朝でした。
大阪から高知までの距離で一晩かかるのですから、中国から日本へはどれほど多くの時間がかかるかおわかりでしょう。

そうなると、オーダーが入ってから中国で製造して、そこから送るという体制では「即日納付」は不可能だということは誰でもわかります。

ある程度の数量を作り置いて貯めてから日本へ輸送する。
日本の物流センターに備蓄しておいて、その作り置いた範疇に合致するサイズはその中から送付する。
だから「即日納付」が可能なのです。

これ以外に、現在の製造加工業のシステム、輸送システムで「即日納品」を可能にする手段は地球上には存在しません。

ところで、こんなことを書いていますが、当方も実は販売員時代は「製造のリードタイム」「輸送のリードタイム」なんてまるで考えていませんでした。
月に何度か店頭で補充発注しながら、「なんで1週間もかかるのか、明日にでも着けろよ」と悪態をついていたものです。(笑)

しかしその後、幸いというべきか、不幸にもというべきか、繊維業界紙記者になり、製造にも輸送にもリードタイムがあるということを知りました。これが27歳くらいの話です。(笑)

人間なんてたかが知れた生き物ですから、自分が属する周辺のことしかわかりません。
今、政治や経済で多くの人が「ワーワー」言っているネタだって実はその前後工程を知らないだけということも多いのです。
当然、衣料品だって、自分が属している部分以外は、多くの人はあまり知りません。当方だってまだまだ知らないことが多くあります。

販売員やスタイリストという人の多くは、製造や輸送についてはあまり知らないことが多いのが実情です。

ですから、より多くのことを知った方が良いと当方は思います。
昔、(今もか?)「製造加工のことをあまり詳しく知りすぎると、無理を押し通せなくなるから知る必要はない」とさまざまなアパレルで言われていましたが、これはどうでしょうか?
たしかに一面では真理ですが、それが積み重なったがゆえに、今のアパレル各社・各ブランドの商品力の弱さにつながっているのではないでしょうか。

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南 充浩
About 南 充浩 98 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】

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