ついにZOZOSUITが実質的に廃止の宣言が出されました。
自分で採寸できるスーツという発想は良かったのですが、恐らく着圧で計測したのだろうと思われる初代ZOZOSUITは何らかの理由で量産不可能となり、代わって、画像で計測する水玉柄の2代目ZOZOSUITに仕様変更されました。
しかし、うまく計測ができなかったのは、以前にも書いた通り、その計測理論が間違っているからです。
水玉を目安として画像を比較して採寸するシステムですが、
1、着用のたびに水玉の位置がズレる
2、水玉そのものが伸びてしまう
というデメリットがあり、正しくサイズを計測できませんでした。
計測の基本理論は、「動かない物」を基準にしてそこからの距離を測るのです。動く柄を基準にすればその数値がズレるのは当然です。
またZOZOに関してはパターンメイドですらなく、ZOZO自身が「作り置き」だと公言しています。そうでなくては、当初の計画のように発注後2~3日で手元に届くなんていうことは瞬間移動かワープ航法の技術がない限りは不可能です。
バブルが崩壊して20年以上になりますが、閉塞感が漂っています。それを打破したいと思っている人が多いのでしょうが、「英雄待望論」「魔法待望論」が強まっているいように感じます。
英雄が登場して一気に閉塞感を打ち払ってくれる、魔法のような画期的技術が開発されて一気に景気が回復する、という願望です。
しかし、そんな万能の英雄はほとんど生まれません。また、魔法のような画期的技術も生まれません。現在存在する技術や仕組みの組み合わせや編集によるものがほとんどです。
iPhoneの完成は画期的でしたが、では、そんな既存ではない全くの新しい技術があったのかというと、よくいわれるように既存技術の組み合わせと編集によるものでした。
iPhoneの前のヒット商品だったWalkmanも全くの新技術などなく、既存技術の組み合わせと応用でした。
ZOZOに戻りますと、計測にそんな画期的な今まで見たこともないような新技術が容易く発見される可能性は低いですし、オーダーに関していえば、まったく新しいスピード化した製造工程も開発されておらず、瞬間移動に匹敵するような輸送手段も生まれていない状況下にあって、2~3日で手元に届くような「魔法」は存在できるはずがないのです。
結局、既存の仕組みと技術を的確に捉えて、それを再編集する、どこかの工程を工夫するという積み重ねしかビジネスは成り立たないといえます。
英雄や魔法を待望するのは個人の勝手ですが、結局のところは地道な活動+αでしか難局は打破できません。