こんにちは!
ひなです
お洋服をメインで扱うアパレル販売員と、化粧品を扱う美容部員
お客様を想う気持ちは同じでも
売るものが違えばアプローチ方法も変わるはず!
ということで、化粧品を扱う販売職だからこその部分をお話させていただきます。
あと化粧品販売をしていると言うと
「お似合いですね」とお客様のご機嫌をとってれば売れるんでしょ。
といった言葉が来たりするので、知らないものはしょうがない!知ってください!という意図もあります。
化粧品の接客が独特な部分は3つあります。
① お顔に触れる
② 付けてすぐ分かるメイクと、すぐには効果が出ないスキンケアの2種類の商品に分かれる
③ 日用品のためプライベートなお話が出やすい
①お顔に触れる
メイクやスキンケアをお付けする際、お肌状態を見せていただく際
接客の中でほとんど毎回お顔に触れさせていただきます。
(今はコロナの影響でタッチはできませんので、この部分を他の接客技術で補う必要があります。)
普段生活していて、人から顔を触られる機会ってほとんど無いのではないでしょうか?
そして友人でも家族でもない他人が立ち入って許されるパーソナルスペースを大幅に超えた距離に踏み込みます。
多くのお客様がタッチ中には「人に触られるってあまりないから緊張する…」とおっしゃられます。
ここで気まずく終わるのか、リラックスしていただくのかは販売員の腕の見せ所です。
ここで緊張を解くことができ楽しんでいただければ、肌に触れない接客の時よりも
ぐっとお客様との距離が近付きますしお話ししやすくなります。
また、触れることで見て分かる以上の情報が読み取れます。
例えば「肌表面のごわつき」や「ほてりやすさ」「肌の薄さ」「顔の筋肉の凝り」などが代表的です。
この肌状態が分かると、商品のご提案に説得力が出ますしご購入後も効果が出やすいので次回ご来店時には信用が深まります。
② 直感的に分かるメイクと、すぐには分らないスキンケアの2種類の商品を扱う。
メイクとスキンケア
一般的には「化粧品」といった形でひとまとめにされますがご紹介方法は全く異なります。
メイクには
・なりたい自分になる
・コンプレックスを解消する
・オシャレを楽しむ
・社会性を表現する
このような効果があります
そのため求められる接客は
お客様のなりたいイメージに近付けるアイテムやテクニックのご紹介・似合うもののご提案・TPOに合わせたご提案
が主です
ここではセンスや技術が問われます。
スキンケアは
・肌の保護
・肌悩みの改善
・なりたい肌状態に近付ける
このような効果です。
また、スキンケアには1次効果と2次効果というものがあります。
簡単に言うと
付けて翌朝分かる効果→1次効果
続けて1ヶ月以上で分かる効果→2次効果
そのため、メイクのようにその場でお試しいただいても1次効果にもならないその場の保湿感や感触しか分かりません。
もちろん質の良い商品になればなるほど
馴染みの良さであったり速攻的な引き上げ効果であったりとすぐ分かる特徴もありますのでお試しいただくことには意味があるのですが、それだけでは売れません。
お客様のなりたいお肌に近づく商品を、こちらがお渡しする情報に信用を得て未来を想像していただくことで初めてご購入に繋がります。
ここでは商品や肌知識が問われ、ご要望を引き出すテクニックも必要です。
美容部員と名乗るからには両方の能力を使い分けてそれぞれ磨いていく必要があります。
③ 日用品のためプライベートなお話が出やすい
肌はストレスや環境の変化を敏感に映しだすものです。
特に女性の場合は月経があるため、ホルモンの関係からその前後で肌調子はガラッと変わります。
出会って5分で生理周期のお話が出たり、今抱えられているストレス環境のお話を聞かせていただける販売職は化粧品販売の他にないと思いませんか?
ストレス環境のお話も詳しく伺えば、「いつから」「どんな時に」「睡眠がとれないのか・精神的に辛いのか・忙しくて栄養不足なのか」といった内容になります。
そうすればおのずと
・転職してから職場環境に慣れないし、激務で帰宅が23時
・学生時代からニキビが悩みで何をしても治らなくて自分に自信がもてない
・実家を出てから食事はコンビニがメインだし湯舟にも浸かれていない
・何人目の子供を産んでからシミが増えた
・子供を産んでからお姑さんがよく遊びに来るようになって辛い
このようなかなり立ち入ったお話が出ます。
ここで話すことを楽しんでいただけたり「ここでなら話して大丈夫」と思っていただければ
商品のご提案がスムーズになります。
スキンケア・メイクは多くの女性にとって日用品です。
そのためお使いいただくには習慣化していただくことがベストなのですが、毎日10分20分必ずする習慣って意外と少なくありませんか?
毎日の中の貴重なお時間を使っていただきますが手軽で安価であればあるほどいいという訳ではありません。
・お子様が小さいのでスキンケアは短時間で済ませたい
・学生様で時間はかけられるけど金額は少なく抑えたい
・効果重視でとにかく即効的に効き目のあるものを使えるだけ使いたい
などお客様によってご事情は様々です。
そんなときに、販売員が乾燥やニキビといったキーワードの肌悩みだけで判断し
「お客様にはこれがおすすめです!」とお伝えしたとしても
当然お財布を開く気にも、習慣の時間を増やしてもいいかなといった気持ちにもなっていただけません。
このようにプライベート事情を理解することは、お客様それぞれに合った商品をご提案することにおいてとても有利に働きます。
そのため「この販売員は信用して話すに値する人間か?」のお客様の最初の疑問に合格を戴くことが重要なのです。
極端に言えばここで合格をいただけず心の扉を閉ざされてしまうと根本的な肌カウンセリングは難しくなり、ただ商品を出してレジを打つ人になってしまいます。
美容部員はよく「BC(ビューティカウンセラー)」や「BA(ビューティアドバイザー)」と名乗りますが、この点がカウンセラーたる所以です。
まとめ
これらが化粧品を扱う販売員ならではのポイントです。
問われる能力が多岐に渡るからこそ、自分自身の得意を活かせる場面が必ず出ますし不得意な分野も必ず出ます。
メイクの技術だけがあってもメイクアーティストにはなれますが販売はまた難しいですし、
人とのコミュニケーションが得意でも基礎知識が足りなかったりタッチ技術が足りなければお客様には笑顔になっていただきにくいです。
そのため誰でもどこかの分野では必ず自信を失くします。
そこで踏ん張れるかどうかは、お客様の喜びにやりがいを感じられるかどうかではないでしょうか。
一つ一つ苦手だったことが出来るようになると、お客様の反応がみるみる変わっていくのを感じました。
また、丁寧で長時間の接客だけがどこでも求められる訳ではありませんよね。
都心店の慌ただしい百貨店と、郊外のショッピングモールや路面店では求められる接客の形はかなり異なります。