こんにちは。アパレルキャリア論の吉田です。ファッション業界の8月はシーズンの入れ替わりタイミングですね。この時期は転職活動に本腰を入れる方が増える時期でもあります。今年も先月ぐらいから販売員の方からの転職相談が増えてきました。
良い転職を実現できるかどうかは、転職活動の進め方で決まると言っても過言ではありません。
多くの転職相談に乗ってましたが、ほとんどの方が間違った進め方をしてしまっていると感じます。
今日は良き転職を実現するための進め方について、順を追って説明をしていきたいと思います。
①転職の軸を定める
まず一番最初にすべきことであり、最も重要なこと。それは転職活動の軸を定めることです。
「転職を検討している理由はなんですか?」
この問いはほとんどの人が答えられます。むしろこの質問に対して答えがないのであれば、そもそも転職する必要性はないはずです。人間関係がうまくいかない、給料が上がらない、キャリアパスが見えない、会社の将来性が不安…などなど、人によって様々なご事情から転職を検討されています。
ところが次の問いになると途端に大半の人が回答に詰まります。
「転職の目的はなんですか?」
ここを明確に整理することが重要です。言い換えれば、「どうなれば転職が成功したと言えるか」という転職のゴールを設定することです。この部分で転職活動の成否が決まってきます。
非常に多く見受けられるのが、相談した人材エージェントこに言われるがままに見切り発車で活動を進めてしまっている方。
自分自身の軸が定まらないままに動いてしまっているので、面接に行くにしても場当たり的な準備しかできておらず転職の目的を果たせるかどうかもわからぬまま内定をもらった企業に入社を決めてしまう。言い換えれば「たまたま受かってしまった」企業に入社をしているため、入社後のフィット感も非常にガチャ要素が高くなってしまう。
自分の人生において重大な決断を、ガチャ要素の高いものにしてしまうのはあまりにももったいないですよね。
転職の目的をしっかりとクリアにして、納得のいくスタートを切りましょう。
②転職のテーマにあわせて応募企業をしっかり厳選する
しっかりと軸を定めることができたなら、次に重視すべきは応募企業の選定です。①がしっかりできていない人に見受けられる傾向は「募集要項上、応募可能な求人を手当たり次第応募する」という進め方。残念ながらとにかく数多く応募することを勧めるエージェントが多いのも事実です。
応募企業を絞り込めていないというのは、「軸が定まっていない」もしくは「企業のことをよく知らない」ことの現れです。中には自分が応募した企業の名前さえ覚えていないなんて方も少なくありません。
ファッションで考えてみてください。靴が欲しい人とTシャツが欲しい人とでは、探し方も見に行く店舗も異なってきますよね。「靴を買う」という目的がはっきりしているので、その目的達成のために必要な情報収集をするはずです。
極端な例かもしれませんが、本当は新しい靴を買わなきゃいけないはずなのに気付いたらTシャツを買っていた、なんてことが転職においては本当に多く起こってしまっているんです。
繰り返しますが、自分の人生にとってとても重要な決断です。ちゃんと自分の軸に沿って「選択」をしましょう。
③面接企業に対して事前準備をしっかりとする
やみくもに応募している方に多く見られるのは、強い意思をもって選択(応募)していないので、いざ面接となっても面接企業への興味が高まらず消化試合のような面接の挑み方をしてしまうケース。これは本当に誰も得をしない。自分にとっても無駄な時間となってしまうのは当然ながら、相手企業に対しても非常に失礼な態度です。
しっかりと企業研究をして面接に臨むことを前提に考えると、仕事をしながらの転職活動の場合はせいぜい1週間に2社の面接までが限度でしょう。そのぐらいのボリュームを頭にいれ、応募企業の選定をして集中して事前準備に時間を割く方がよっぽど効果的です。
さらに、事前の準備不足による面接落ちが非常に多いことを考えると、しっかりと準備が出来てさえいれば圧倒的に合格可能性も高めることができるのは間違いありません。
・自己分析(軸・強みの整理、今後のキャリアビジョンなど)
・企業研究(業界についてのおおまかな理解、企業の特徴、最近のニュースなどは最低限抑えておきましょう)
・アウトプット(自分の考えをしっかりと相手に伝えられるレベルまで整理、面接練習)
最低でもこの3つは企業毎に準備をする必要があります。これを真剣にやろうとすると前述の通り1週間に2社もあればもうパツパツになるでしょう。
①②をしっかりできた上でこそ③につなげることができます。
④テーマに沿った企業かどうかをしっかりと吟味する
①〜③の工程を経て、見事内定を勝ち取ることができたなら、最後に今一度その内定が転職の目的を果たせる内容なのかを冷静に判断しましょう。
特に大事にして欲しいのは選考過程の中で感じた「違和感」を無視しないこと。これは転職に限らず言えることですが、自分の感じる違和感は、往々にして正しいものです。
しっかりと準備をして勧めてきているが故に、時として盲目的になりがちなもの。元々の転職の目的と照らし合わせながら、その先そこで働いている自分を本当にイメージできるかをしっかりと考えてみてください。
もし何か違和感があるのであれば、そこを見て見ぬふりをするのではなくちゃんとクリアにしてから最終判断をしましょう。
⑤決断したら腹を括る
あくまでも①〜④までしっかりと向き合ったということは前提ですが、決断をしたらその決断を信じることが大事です。こんなことを言ってしまうと元も子もないんですが、どんなにしっかりと準備をして選択をしたとしても必ずその先成功するわけではありません。今後も色んな変化があるでしょうし、その時点での決断は正しかったとしてもその先にどうなるかはまさに「神のみぞ知る」です。
何が言いたいのかというと、しっかり向き合った先に起こることは自分ではコントロールできないということ。そうした見えない不安から「本当にこの決断で良かったんだろうか…」「他にもっとよい企業があったんじゃないか…」などと考えるのは不毛です。
ここまでしっかり向き合って出した答えなんですから、あとは良い意味で楽観的に考えることも大事です。
「ネガティブは感情、ポジティブは意思」
これは私もとても大事にしている言葉・考えです。
しっかりと決断したのであれば、後は「自分の決断を成功にする」ことに集中するのみです。ここでしっかりと腹を括れるかどうかが転職後に活躍できるかどうかにかかってきます。
さて、今回は転職活動の進め方についてまとめてみました。もしかすると読者の中にも現在転職を検討されている方がいるかもしれません。ぜひこのポイントをしっかりと抑えて、自分にとっての転職成功を実現してください!
それではまた次回。