これからの店舗の役割

25万冊の古本を扱うTSUTAYAの新業態、2号店が大阪にオープン

関西TSUTAYAは11月1日、大阪に古本を中心とする「ツタヤ」の新業態TSUTAYA BOOK GARAGE 枚方ベルパルレをオープンした。アメリカ西海岸をイメージした約1800平方メートルの店舗で、約25万冊の古本を扱う。加えて、新刊やDVD、CD、ゲームの販売、リサイクルショップ、カフェなどを併設する複合施設だ。

TSUTAYAが創業地である枚方にまた新たな店舗を出店。TSUTAYAを運営するCCC(カルチュアコンビニエンスクラブ )は、ブランディングには店舗が必要との事で大型店舗を出店していましたが、今回の狙いも同様でしょう。古本の大型店を出店する事で、その領域での存在感が大きく増すのではないでしょうか。EC全盛の時代に、店舗の役割が狭まってはいますが明確化はされてきたようで、その一番の役割がこの「ブランディング」ではないかと思います。

 

店舗があるとブランディングしやすい?

ラグジュアリーでは顕著に見られますが、店舗はブランドの権威や世界観を見せるのに一番有効です。出店場所から、ショップの外観、店内の内装から什器、そして販売員の接客まで。顧客が視覚的に認知し、タッチするポイントをブランドコンセプトに沿って体現する事で、ブランドに対するロイヤリティが向上し、ブランド価値が高まります。

CCCの創業者が以前、とあるインタビューで語っておりますが、アップルのブランド力向上には店舗が寄与していると仰られています。

「場所・空間」とブランディング

それだけ店舗とブランディングには密接な繋がりがあります。だからこそCCCは大型の店舗を出店し、そこでコンセプトや世界観を演出しているのです。特に書籍の取り扱いではAmazonが過去から猛威をふるっており、そこに対抗する為にはAmazonが持っていない「リアル」の使い方が今までより一層求められます。そんなAmazonもアメリカでは実店舗を一部出店したりしていますが。。

業界の方々とお話していても、この「リアルを絡めて」という意識が皆さん弱い印象です。リアルを軽視しているというよりかは、どちらも片方だけで完結しているといった感じです。InstagramやFacebookのファン獲得も本当はリアルと絡めるのが一番簡単なんですが、webだけで完結しようとする。どちらも強い部分と弱い部分があるのですから、それをうまく活用してあげればいいのです。

ファッション関連のEC比率は右肩上がりの状況ですが、市場規模が伸びていないところを見るとリアルとwebはゼロサムでしょう。リアルの役割が狭まっているからこそ、「ブランド力を向上させる」という役割を強化する方向性が今後強くなってきそうです。

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

深地雅也
About 深地雅也 155 Articles
株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。