ビームスと別府市のコラボ第2弾「あたらしいみやげもの」を共同開発
「あたらしいみやげもの」は、ビームス ジャパンのバイヤー監修のもと、公募により集まった16の地元の事業者とともに3カ月かけて開発。cotakeからは別府の伝統工芸である竹細工によるアクセサリー、三洋産業からは竹細工を使用したコーヒードリップセットが展開されるほか、みょうばん湯の里はオリジナルのテキスタイルをビームスのコーポレートカラーであるオレンジ色の巾着にして温泉キットと湯の花セットを製作した。
ビームスが地域の伝統工芸と共同開発した製品を発表しています。何でもコラボするビームスですが、地域との取り組みは「文化」をコンセプトにしているビームスらしい施策です。しかしそれ以上にこの取り組みには付加価値があるように思います。
◯「地域」にはそれぞれ特色がある
当たり前ですが地域によってコンテクストって千差万別です。今回の取り組みにも出てくるような、伝統工芸などの地場の産業ってどこにも存在しますし、地域が違えばその色も変わる。であればローカライズする事によってその地域ならではの付加価値が生まれ、ユーザーが買う理由になりやすい。唯一無二の付加価値を生み出す=ブランドとしての価値向上を実現します。商品を共同開発する事でビームスはブランド力向上にもつながっているのです。
◯ありふれた物は飽きられる
最初は尖った印象があったブランドも、店舗数や流通量が増えてしまうと存在する事が当たり前になり、やがて色が薄まってくるものです。元々ターゲットがマスであるなら全く問題無いのですが、そうでない場合は売上を伸ばす事とブランド力を維持する事でジレンマが生まれます。ビームスは元々レーベルが複数あり、一つのイメージが飽和しないような店舗戦略を組んでいるので、今回のような取り組みとは相性も良い。「モノを通して文化を作る」という企業理念ともマッチします。
ブランドって、どの店舗でも同じ水準のサービスが受けれるというのが付加価値の一つである事もわかります。それもブランドの良さではあるんでしょう。しかしこれだけ市場に選択肢が多い今、選んでもらう理由の一つして「その土地に根ざしたモノ」というものは、手っ取り早く差別化できるし、地域の人たちにもリーチしやすいし、違う地域の人たちに知ってもらうきっかけになるし良い事だらけなんではないかと。非常に良い取り組みではあるのですが、こんな曲初戦をビームスくらいの規模の会社にやられてしまうと中小・零細企業は太刀打ちできなくなってしまいますね。新しい付加価値の創造が今後求められそうです。