改めてD2Cについて、
・国内市場は大成功しても30億くらいが限界点
・世界を見たら300億の可能性がある
・WEBサービス的なやり方だと痛い目にあう
・1ブランドだけでなく、複数ブランド展開すると生産効率やPR効率が上がり、儲かる体制になる
メガネスーパーの川添さんのnoteから引用。D2Cに対して夢見がちな方々へきついお言葉が並んでおります。こちらに関しては非常に同意で、
D2Cがやけに散見されるけど、そこそこ高い製品はそんな簡単にWebじゃ売れない。それなりのブランド力がないといけないし、それにはリアルでの展開且つ流通量、情報量が必要だ。Webだけで何でも完結すると思ってたら死ぬ案件。
— 深地雅也 (@fukaji38) July 18, 2018
以前にこんな事言ってたなーと思い出しました。メディアの持て囃し方を見ると、まるでD2Cが全ての問題を解決するような手法だと勘違いされてるんじゃないかなーという印象を受けます。上記記事に書かれているのは規模拡大が難しいという点ですが、僕から言いたいのはまた違った視点になります。
店舗が無いのはメリットでも何でも無い
D2Cは消費者に直販する手法で、店舗を介さずECのみで商品を販売するケースが多いのですが、店舗持つよりコストがかからないというのが売り。その分、商品のコストパフォーマンスを上げたりって目的もあるんでしょうけど、それがメリットになり得るかと言われると非常に疑問です。
【2017年】ネット通販市場は16.5兆円、EC化率は5.79%、スマホEC市場は3兆円
経産省のデータでは2017年のEC化率は5.79%程度。物販は更にその半分程度の市場規模になるようで、毎度言われてはいますがまだまだリアルに比べてECで物を買う人ってめっちゃ少ないんです。既に認知度があるブランドならともかく、全く知られていないブランドがこれからWEBだけで始めるのってハードルがすごく高いのです。
店舗が無いと価格設定を下げざるを得ない
これもとっても当たり前の話なんですが、多くの人にとって物を直接見ないで払える金額って制限されます。だからD2Cブランドの価格帯って実はどれもある一定よりは低い金額で設定されています。
以前、こんな記事を書いたんですが、世界で成功しているD2Cブランドでもそのどれもが100ドルを切る価格帯です。WEBでいくら認知度が爆発的に伸びてブランディングが出来ても売れる価格ってそんなものです。店舗を持たずにブランド価値を高めるのがいかに難しいかよくわかります。結局、店舗は持つけど店舗で売らないケースが増えたり、普通に店舗出して売るってケースまで出てきています。(節子、それただのSPAや…。)
これだけ見ても店舗が無いのがどれだけデメリットかわかります。ファッション業界はバズワードによく踊らされるんですが、実態をよく見極めてから行動に移さないとひどい目に合ってしまいますのでお気をつけあれ。