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業界の優等生と言われていたユナイテッドアローズの業績が悪化し、その対策が発表されています。下記の記事に詳しく書かれていますので、一部抜粋。
「天候不順などに対し、MD進行に柔軟性が足りなかった」「ファッショントレンドの変化が小幅な中、新たな提案が不足した」などと分析。その上で「例年以上に天候、消費マインドなどのマイナス要因があったものの、それらに対し柔軟な対応ができなかったこと=内部要因」と、総括している。 当然、投資家やメディアの追及が想定されることから、対策もきちんと示している。「初回投入の抑制、期中でのより柔軟な修正を実施する」「売れ筋の追加投入の強化とともに、スローセラーの可能性のある商品は早期に生産抑制も検討する」
特にこの、
「初回投入の抑制、期中でのより柔軟な修正を実施する」
「売れ筋の追加投入の強化とともに、スローセラーの可能性のある商品は早期に生産抑制も検討する」
の二文。これZARAとやり方全く同じですね。ZARAではトレンドアイテムはシーズン当初、約3週間分の在庫しか投入せず、期中での売れ行きをみて追加投入していくという手法をとっています。生産リードタイムが短いファストファッションだからこそできる手法です。
これと同じような事をセレクトショップ(もはやSPAですが)であるユナイテッドアローズがやろうとしてるという事なんです。
そもそもファストファッションとは?
未だによく誤解されているのですが、ファストファッションというのは単に安いだけの商品をさしません。これはTopsellerのメンバーである南充浩氏も自身のブログにて再三ご説明されていますが、
ファストファッション(fast fashion)とは、最新の流行を採り入れながら低価格に抑えた衣料品を、短いサイクルで世界的に大量生産・販売するファッションブランドやその業態をさす。(wikipediaより)
一番重要なのは「サイクルが速い」という事です。ユナイテッドアローズはまさに今、サイクルをより速くしている事から、ファストファッション化していると言えます。
ユナイテッドアローズの1事業であるGLR(グリーンレーベルリラクシング)はMDを8分割しています。つまり1シーズンを1.5ヶ月と見ています。過去、ファッション業界のMDは春夏シーズンと秋冬シーズンの2分割でした。しかし今二分割のブランドがどれほどあるでしょうか。ラグジュアリーブランドですら、「ホリデー」や「プレフォール」などのコレクションがありますから、MDの短サイクル化は致し方ないかもしれません。
企業理念はどこにいった?
背に腹は変えられないのが現実なのか、今のままではユナイテッドアローズが掲げている理念は実現できそうにないでしょう。
「新しい日本の生活文化の規範となる価値観を創造し続けます。」
新しい価値観を創造するどころか、売れ筋に迎合する他のSPAと一緒になってしまっている現状は非常に残念です。ファストファッションが顧客視点が無いとは言いません。むしろ中途半端なSPAより余程顧客視点はあるでしょう。しかし、ビジネスモデルを追随するだけでは、そのブランドの「付加価値は何なのか?」「今後どう差別化するのか?」が見えません。ファストファッション化しているブランドは日本でも増加しているように感じますが、自社が提案する付加価値とは何なのかをもう一度真剣考えてみてほしいものです。
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