心斎橋にAmeri VINTAGE(アメリ ヴィンテージ)がオープンするという事でレセプションに行ってきました。
アメリヴィンテージと言えば、とにかくInstagramの使い方が上手く、ECサイトもInstagramをフル活用する為に無駄がそぎ落とされた仕様になっていると感じます。販売チャネルは「実店舗」「EC」「卸」とそれぞれ使い分けてはいますが、特に「ECが強い」という印象。当日お聞きしたお話によるとEC化率は脅威の60%で、その印象は間違いなかったようです。
僕も職業柄、「ECの成功事例」についてはよくリサーチしていますので、以前からアメリのWeb上での情報発信の素晴らしさについてはチェックしていました。販売員をメディアとして徹底活用したり、インスタライブでユーザーの購買意欲を喚起したり、新商品入荷やリストックをInstagramで詳しく告知したり…、と「上手さ」を感じさせる事例はたくさんあります。しかし、レセプションにお伺いして、そんな事より重要な事が他にあるのでは?と感じさせられました。
デザイナー本人の熱量
現場に行って一番印象的だったのは、とにかくデザイナーである黒石さんご本人が誰に対しても丁寧に、そして積極的に接客していたという点でした。
「ブランドはデザイナー本人の熱量が一番重要」
レセプション行ってきた。黒石さんご本人が積極的に接客されてて、売れてるブランドはやっぱりトップがそういう姿勢なんだなぁと思うなど。 pic.twitter.com/sHvYfFZ6Jm
— 深地雅也 (@fukaji38) April 19, 2019
文字に起こすと「何を当たり前の事を」と思ってしまうかもしれませんが、それを徹底するって実は難しい事です。黒石さんに関しては、普段のブログやInstagramの更新からもその熱量が伝わってきます。
更新頻度も高く、ブランドの商品の着用画像をしっかり撮影して細かく説明してくれています。ここまでデザイナー本人が徹底してプッシュしているブランドって実は少ないのです。
インフルエンサーブランドの成否を分けるのは、本人の「のめり込み方」なのかもしれない
先日、ヨンアさんのブランドのイベントに行った時も感じた事ですが、ご本人の熱量って周りに伝播します。それが濃いファンを生み出し、需要を喚起しているのでしょう。結局、ECやInstagramはツールに過ぎず、これが成功事例だと勘違いして同じ事をやったとしても上手くはいかないでしょう。
実はこれが根源であり、且つ最も重要な事だと痛感します。そもそも、この熱量が無い限り、アメリと同じ手法を使ったとしても再現性はきっと無いのでしょう。思えばここ数年、話題のブランドを直接見に行った時の共通点は、コミュニティを作り上げるほどの当事者たちの熱量にありました。ECからスタートしたアメリは、いわゆる「D2C」ブランドとも言えますし、拡散手法も今の時流に乗っています。一見、それが成功事例に見えがちですが、そんなテクニカルな事は結局後付けでしかなく、本当に大切な事は何なのかを教えてくれる。アメリを、そしてデザイナーの黒石さんご本人を見てふとそんな事を感じた次第です。