「お前はどう思う?」に答えられる人と答えられない人

皆さんこんにちは。アパレルキャリア論担当の吉田です。
自粛生活に入って間も無く2ヶ月。この2ヶ月の間に自分としても新しい試みをいくつかやってみました。その一つがオンラインによるキャリア相談スナック。でね、このスナックによる気付きが自分にとっても大きかったんです。
今日はその話についてまとめてみたいと思います。

縦社会が自然にインストールされた少年時代

いきなりですが、自分は福島県のいわき市という場所で生まれ育ちました。自分にとってはかけがえのない故郷ですが、まぁしっかりとした田舎なわけです。で、ざっくりとした地域性で言うと、自己主張を良しとする空気はあまりなく(ごめんなさい、個人的な感想としてです!)、「身の丈」「世間体」を強いられるような空気を幼い時からなんとなーく感じて育ってきました。

そういう環境下にいるとどんな暗黙の了解が生じるかと言うと

・実力もないやつが意見するなんて100万年早いわ!
・あの人が(実績がある人)言うことはすごいはず!

という、ちょっと排他的な空気が生まれるわけです。(繰り返しだけどその当時の個人的な感想ね!)

だから、余計なことは言わずに空気を読んで(立場をわきまえて)行動することが、なんとなーく自然とインストールされてしまっていた気がします。今となって振り返ると。

学生時代はずっと野球に打ち込んでいまして、これまた当時は上下関係がめちゃくちゃ厳しい環境にいました。それはもう詳細はここでは書けないぐらい、当時はまぁそれはそれは非常に熱いご指導を受けてきたわけでございます。

さて、そんな前提をポータブルしながら進学とともに上京し、大学卒業ともにアパレル販売員としてキャリアをスタートしたわけなんですが、もちろん会社によって風土は異なりますが、他の業界から見ると比較的この縦社会感は結構根強く残っているのがアパレル業界だと感じます。そのため、当時の自分には違和感はあまりなかったんですけどね。

とにかく結果を求めた販売時代

一方話はガラッと変わるんですが、自分の両親は福島で生まれ育ち、高校で出会い、高卒で仕事を初め、結婚をし、今も福島で生活をしているわけなんですが、そんな二人が産んだ長男が私でございまして。そしてそんな私を自分たちが経験がない大学へ、東京へと出すことを応援してくれた最高の両親なんです。(今でも本当に頭が上がらないぐらい感謝をしています)
なので、高校生の時から「東京に出してもらえた両親に、ちゃんと何者かになって恩返しをする!」と言うのが自分の人生のテーマにもなっていまして。逆に言うと「何者かになる」という漠然とした目標を10代の頃から強く念じ続けてきたんです。

そんな背景もあって、「何者かになる」という思いを持った人間からすると、なんとなくな上下の関係に屈してしまうとそれなりの自分で終わってしまうことは目に見えてました。だって、凡人だから。。

そんなことを考えていると「逆張り」の意識が芽生えるわけです。
アパレル販売員としてキャリアをスタートさせてからしばらく経った時、この上下関係の中でちゃんと意見を主張すること(できること)が差別化になるなと思って、でもそのためにはその環境のルールを踏襲する必要もあって。なぜならその時点ではなんの武器も持たない弱い存在だったから。

それの手っ取り早い方法が「実績をあげる」だったんです。
実績をあげることがゴールではなく、実績をあげて話を聞いてもらえるようになってから、自分が思っている意見をしっかりと主張しようと。当時の自分はそんなことを考えていました。結果として、この時はそれで自分の思うような立場を作れたんです。

立場に言い訳をしない自責文化との出会い

そんなことで積み上げてきた自分の自信を一気に崩されたのがその後に入ったリクルートという会社。

実績をあげるということに対する意識はもちろん高い(むしろ今まで以上に全員が当たり前のように思っている)環境だったんですが、それ以上に衝撃を受けたのが今回のタイトルにもある「お前はどう思う?」の文化。

簡単に説明すると、入社年次とか年齢とか実績とか性別とか役職とかそういうのを一切関係なしに「お前はどう思う?」「お前はどうしたい?」を日常的に問われる環境なんです。これ、リクルート関係者にとっては「あるあるネタ」にもなってるんですが。笑
本当に 自分の意見 を問われ続けるわけです。
で、そこにしっかりと自己主張できなければ「イケテナイヤツ」認定。

入社したての頃は、まだ何も実績も出せてない自分が言えることは…などと思ってましたが、はっきり言ってそんな人間は存在価値が無しと思われる環境だったんです。

でも、これがすごく勉強になって。自分がどう思うかっていうのは結局は自分が見えている範囲でしか答えられるわけがなく。立場に関係なく自分の意見を持つには常日頃意識的に何かに問題意識を持ったり、意思を持って選択をするということを繰り返していかないとなかなか主張できないんですよね。そして、だからこそ他の人の意見(視点)がめちゃくちゃ勉強になったりもする。

逆に言うと、自分がそんな事言える立場にまだないって言うのは、勉強不足であることのただの言い訳でしかないということを痛感させられたんです。

ここでの経験は自分にとってもとても大きな転機となりました。ここでの経験がなければ間違いなく今の吉田直哉は存在しないだろうなと思ってます。

思考せよ、アウトプットせよ

さて、だいぶ前置きが長くなってしまったんですが、オンラインスナックで集まってくれた人たちと話をする中で、びっくりするぐらいちゃんと自分の意見を主張できる販売員さんが多かったんです。当時の自分では考えられないぐらい、本当にしっかりと自分と自分の意見を大事にしていて、ちゃんと一生懸命悩んでいて。

一方で、なんとなく自分の意見を持たずにここまで来てしまったという人も多いと思いますし、正直自分が相談に乗って来た体感値からしてもそういう方の方が圧倒的に多い。

その違いは何なのかなって考えた時に、「普段から考える時間」の差だと感じました。
意見を問われ答えられないのはその準備ができていないから、即ち、いろんな意見や情報に触れていないから。

だから、何かしら今の状況に違和感を感じている人はその違和感をものすごく大事にして欲しいなと。ちゃんと伝えて欲しいなと。

でもそういう場がないのかもしれないなとも強く感じたりもします。今回のオンラインスナックでの体験を踏まえ、そうしたコミュニティを作れないかな…などと考え始めているので皆さんお楽しみに。

最後に皆さんに質問です。
例えばこのコロナによる自粛解禁された時、あなたはどうしたいと思ってますか?

5秒以内に答えられない人はまだまだ、自分で考え、情報を集め、自分の人生を自責で生きる覚悟が弱いと思います。
ごめんなさい、ちょっと言葉が強めで。でも本当にそう思いますし、これまで1万人以上の相談に乗って来た中でここの差が一番大きいと感じています。

「お前はどうしたい?」

ちゃんと答えられる自分でいましょう。
もしそうでない自分がいるのであれば、ちゃんと思考する癖をつけましょう。
いますぐに。

それではまた次回!

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吉田直哉
About 吉田直哉 31 Articles
株式会社ALL IS NEW 代表取締役社長 大学卒業後バーニーズジャパンに入社。販売員としてキャリアをスタート。20代でリクルートへ転職しキャリア支援のキャリアをスタート。その後ファッション業界専門のヘッドハンターとして業界におけるキャリアコンサルティングに従事しつつ、Vice President、執行役員としてマネジメントを経験。 。累計転職相談者は1万人を超える。現在は株式会社ALL IS NEWの代表取締役としてファッション業界のキャリア支援、採用支援をしつつ、「人が繋がるを」コンセプトにしたスナック「BANQUET CIRCUS」の経営や、 文化服装学院の非常勤講師としても活動中。 ファッション業界関係者限定の招待制交流イベント「FASHION SNACK」もプロデュース。また出身地である福島県いわき市にて地方創生事業も展開。