下着販売員になることを考えている方へ  

こんにちは、元下着販売員、現在下着の魔法使いとして下着の情報発信をしているちーちょろすです。

近頃嬉しいことに、就活生さんや社会人さんから「ちーちょろすのTwitterを見ていて下着を好きになったので、販売員になろうかと思います」というコメントをいただきます。しかしそんな嬉しいコメントをいただいておきながら、私は素直に「ぜひ下着業界へ!」と言えません。

今回の記事では下着販売員になるための心構え、現状についてご紹介していきます。

お給料ってどうなの?

私が入社した当時、大学卒業で基本給は約18万でした。実家から通っていた頃は手取りが約15万、2年目からは店長をしていましたが、住民税がお給料から引かれるのと実家ではなく社宅になった関係で手取りは約14万。店長業務をしていてもこれくらいです。
(ちなみに店長手当ては当時約4000円でした)

私が新卒入社を決意していた時、当時入社4年目だった店長が「私の給料明細これやけどほんまに正社員なるんか」と手取り20万円の明細を見せてくれたので、お給料に対する魅力はほとんどないことは承知の上での入社です。
正直、私はお給料を知って少し怯みましたが、それ以上に私は「下着販売員」という仕事に対してプライドがありましたし、お金よりもこの仕事に対する魅力に取り憑かれていたのでなんとか続けることができた面もあります。
(学生のアルバイトで考えれば、お給料のわりにそこまで大変というわけではなかったのもあると思います)

給与面で言えば大して高くないです。大学の同期がどんどん給与アップしていく中、仕事や責任は重くなるけれどお給料がどんどん比例しなくなっていくのが現状です。

どれだけ勉強しても、接客やフィッティングが上手くても、なかなかお給料は上がらないのが現実です。しかしそれでは販売員さんのモチベーションも上がりにくい。

この状況を打破するためにも、私は「お金を出してもらえるレベルの接客、フィッティング」を定着させ、将来フィッティング有料化を目指しています。

仕事内容は?

仕事内容はブランドによって異なります。そして覚えておいていただきたいのが、販売員の仕事は接客だけではないということです。

・発注
・納品(届いた商品を仕分けて店頭に出す)
・VMD(商品を売れやすいよう陳列する)
・スタッフ教育
など、接客以外にすることはたくさん必要です。

特に店長には「接客が得意」だけではなれません。
ここで第一の挫折をする人がいます。接客がしたくて入社したのに、接客以外の業務が苦手でイメージとのギャップです。
そして第二の挫折は、想像している以上にお客様はシビアという面です。「販売員になりたい」と考える方の中には店舗に行く段階でそもそも「接客を受ける体制」で、自分からも接客を楽しめる方がいます。
しかし、「接客を受けたくない人」が割と多めにいらっしゃるというのが現実です。
「私が受けたような接客を、他の人たちにも受けてほしい」と思う方が多いですが、お客様みんながみんな「接客を受ける体制」ではありません。

接客面ではメンタルの強さ、業務面では想像とは違う業務をこなさなければならないという心構えが必要です。
それでも私が販売員という仕事が好きなのは、喜んでいただくまでの道のりが長いからこそ、喜んでいただけた時の達成感は何物にも代え難いからです。学べば学ぶほど、お客様と話せば話すほど、誰かの人生に寄り添うことができます。
悩んでいる方の相談に乗りたい気持ちが強い方には天職だと考えているので、ぜひ参考にしていただければと思います。

販売員という仕事で私が手に入れたもの

私は仕事らしい仕事をほとんど接客しかしてきませんでしたが、下着販売員をすると人の気持ちに寄り添う大切さやお金には代え難い経験を積むことができたと感じています。

・レジで商品を受け取るときに「ありがとうございます」と言う
・接客は声をかける方も怖い
・販売員さん全員が「売ろう」と思っているわけではない
・ぴったりのサイズをつけた時の心地よさ
・いろんな体型の方がいる
・自分の力で誰かに喜んでもらえた時の喜び

これらは全て、接客という仕事をしていなければ経験することができませんでした。
中でも最後の「自分の力で誰かに喜んでもらえる」というところに関しては、自身で学べば学ぶほど、経験を積めば積むほどにお客様の満足度が上がって行くのが目に見えてわかり、学んだことをすぐに実践できる場があるのはとてもありがたいことでした。

私は販売経験なく下着をお勧めすることは難しいと思っています。自分と全く同じ体型の方に選ぶことはできるかもしれませんが、お店で商品やいろんな体型のお客様と向き合い、悩みに寄り添うことで女性の身体の多様性も学ぶことができます。

そしてセンシティブな話をしなければならない分、いかに相手に心を開いてもらうか、おすすめのアイテムを紹介できるかが重要になってきます。いわば人の心を学ぶのに長けるので、他の接客業に行っても活かせる最大の武器です。

お金をいただきながら学べるのが日本のいいところです。
そして失敗は若い頃の方が怖くない。
大変なこともたくさんありますが、販売員がいないと成り立たない企業はたくさんあるほど、接客業はなくてはならない職業です。
どんな仕事でも誰かの役に立つことに繋がりますが、よりそのことを実感しやすい職なので、現状も知った上で挑戦してみたい方はぜひ下着業界に飛び込んでみてください。

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ちーちょろす
About ちーちょろす 15 Articles
下着の魔法使いとして、ソーシャルメディアを中心に下着情報を随時配信する事で影響力を伸ばしたインフルエンサー。下着を通して女性のライフスタイルが豊かになる事を目指し活動中。