いつもながらお気楽に始めてみたいと思います。
強い者が生き残るのではなく、変化に対応した者が生き残る。
ダーウィンの進化論の一節で、企業活動にも最近は当てはめられます。たしかに最大規模の売上高を誇ったダイエーは倒産に追い込まれてしまいました。一方、ダイエーよりもはるかに規模の小さいアパレル企業で現在も生き残っているところは珍しくありません。
売上高3000億円をかつて誇ったワールドは苦戦が続いていますが、現在、好調企業として注目されているアダストリアホールディングスやアーバンリサーチは、元はライトオンやマックハウスなどと同様のジーンズチェーン店です。
アダストリアは「ポイント」、アーバンリサーチは「ジグ三信」という屋号で、いわゆる街のジーンズチェーン店を運営していました。
両社ともジーンズチェーン店からSPAやセレクトショップへと変化して生き残ったのです。
ところで、高校で少し生物の授業をまじめに受けておられた方々はご存知だと思うのですが、進化論はダーウィンの学説だけではありませんでしたよね。
その他、さまざまな人がさまざまな進化論を唱えています。
ちなみに面白いことに、進化論にいまだに正解となる学説は生まれていないのです。ダーウィンも含めてどれも一長一短があるのです。
ラマルクの「用不用説」、アイマーの「定向進化説」などがあります。
先日、人気ファッションブロガーMB氏のブログにこんなエントリーがありました。
【スーパーオーバーサイズ・ビッグシルエット・ドロップショルダーTシャツ】大きければ良いワケじゃない。「インフレ」の危険性。
なかなか、面白い視点で書かれていて、その通りだと思います。
そう、トレンドファッションは必ず「インフレ」を起こして「ヤリ過ぎ」になるのです。
ここでは過剰なまでに大きくなりすぎたオーバーサイズや、ペンギンくらいに股下が短くなったサルエルパンツが紹介されていますが、これはディテールがインフレを起こしているのです。
そして、これは今に始まったことではなく、ファッショントレンドは必ずインフレを起こしてきました。
例えば、ローライズジーンズ。股上が浅ければ浅いほど良いとされ、末期には、ほとんど見えてしまうのではないかと思うくらいに股上の浅いジーンズが発売されました。
また例えば、ヘビーオンスジーンズ。いわゆる生地が分厚い(ヘビーオンス)ジーンズで、もともとは通常の14オンスよりも分厚い18オンスや21オンスなどが注目されていましたが、やがてインフレを起こして「ぶ厚ければぶ厚いほど良い」という風潮が生まれて、最後には28オンス生地を使ったジーンズまで生まれてしまいます。
2003年にエディ・スリマンが提唱したタイトシルエットも2016年まで流行しましたが、これも一部には「細ければ細いほどかっこいい」みたいな服が生まれました。
MB氏の指摘や過去のこういう実例を見ていると、アイマーの定向進化説を思い出します。
巨大になりすぎて行ったマンモスの牙、口からはみ出すほどに長大になったサーベルタイガーの犬歯などがアイマーの定向進化説が指し示す例です。
マンモスの牙もサーベルタイガーの犬歯も最初は通常くらいのサイズですが、進化とともにどんどんと巨大化していったというものです。ファッショントレンドの「インフレ」化と似ていませんか?
生物もそうですが、ファッショントレンドのディテールも時間の経過とともにどんどんと過剰になっていきます。定向進化説によると、マンモスもサーベルタイガーも牙が巨大になりすぎて却って不便になって死滅したとされていますが、ファッショントレンドのディテールも過剰になればなるほど消費者からの支持が離れますので、極端にインフレ化した場合は遠からずトレンドの座から陥落します。
このあたりも定向進化説と同じです。
となると、過剰に肥大化してしまったということは、そろそろビッグシルエットのトレンドも最期の時を迎えつつあるということでしょうか。
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