つい先日、三井物産がビギHDを買収というニュースがありましたが、お若い人からすると「なんのこっちゃ?」という感じだったのではないでしょうか。
今年48歳(年男やで~)になる当方にとっては、ビギとは懐かしく、往年のDCブランドブームが思い出される企業名ですが、実のところ95年くらいからのことしか知りません。
当然、今の若い20代、30代、40代前半の人たちは、ビギグループで働いている人以外、さっぱり名前を知らないのではないかと思います。
所属しているブランドでいうと、ビギ、メンズビギ、メルローズ、メンズメルローズ、パパス、ヨシエイナバなどが挙げられ、45歳以上の業界人にとっては非常に懐かしいブランド名が並んでいるのではないでしょうか。
ビギのピーク時を知っているのはも50代以上ということになるでしょう。
48歳の当方だって、95年以降のピークを過ぎたビギ、2005年以降の存在感のないビギしか知りません。
ちなみに、今の若い方は知らないと思いますが、98年に日本に上陸したZARAは当初、このビギと合弁企業として日本に進出したのです。
これもアパレル業界の歴史の一幕です。
また、ビギで名高いのはタケオキクチブランドが、ワールドへ移籍したことです。
これは薄っすらと記憶していましたが、この移籍が起きたのは84年のことだそうです。
50代以上の業界人が今回の買収に端を発して、ビギについて様々書いていますが、もっとも詳しく書かれているのがこのブログでしょう。
http://blog.goo.ne.jp/souhaits225/e/9f23b6821d194a1273d6e9e6f16c06d1
「あのビギグループもついに買収の対象になったか」とは言っても、「ビギグループって何?」「どんなブランドなの?」。業界人でも50代以下の方はそんな印象ではないか。今回の買収も50代以上と以下で、受け止め方は異なるだろう。そこで、全盛期を知る人間として、ビギグループとはと、その買収の先にあるものについて書いてみたい。
との書き出しから始まります。
設立が1970年で当方の生まれた年でもありますから、ビギと当方は同い年ということになります。
大楠祐二氏と菊池武夫氏が二人で起こした会社です。
菊池武夫氏は当時、稲葉賀恵氏と夫婦でした。(今は離婚)
この辺りの人間関係は初めて知ったという若い人も多いのではないでしょうか。
しかし、DCブランドブームが去ると、ビギグループの威光もすっかり消え失せた。95年には傘下のBMファクトリー(生産工場)と、全労協の管理職ユニオンとの間で団体交渉が行われている。部門廃止や人事異動、給与改定などのリストラが行われる一方、経営陣によるゴルフ会員権の購入や社用車の貸与など公私混同があったため、グループ内で初めて生まれた労働組合により、業界では珍しい争議まで起こされている。
「ザラ」が日本で展開を始める98年には、インディテックスグループが49%、ビギグループが51%を出資して日本法人「ザラジャパン」が設立された。初代の社長には、ビギグループの販売会社「BMD」で代表を務めた城尾卓佳氏が就任した。大楠代表とともにビギグループを成長軌道に乗せた一人である。この話題も意外に知られていないが、業界ではエポックなネタだから、付け加えておく。
この辺りが当方の知っているビギの足跡ということになります。
ご紹介したブログは少し長いですが、70年から現代までのビギを知るにはうってつけの資料といえます。
今の若い研究者や40代以下の業界紙記者ではとても書けません。同時代を生きた筆者ならではといえます。
お若い人も知っていて損はないと思いますので、ぜひお読みください。