「ファッションのために動物をもう殺したくない」ヴェルサーチもファー使用廃止
「ヴェルサーチ(VERSACE)」が、2019年コレクションからファー商品の取り扱いを終了することを発表した。アーティスティックディレクターのドナテラ・ヴェルサーチ(Donatella Versace)は、「ファー?私はもうやめたわ。ファッションのために動物をもう殺したくない」とコメントしている。
近年、「エシカルファッション」や「フェアトレード」、「サステナビリティ」といった用語がファッション業界にも飛び交っております。大量生産・大量消費の弊害によるカウンターとしての運動でもあるのでしょう。そして特によく耳にするのが上記のファー禁止問題です。個人的には、ファーを使用するのも禁止するのも企業の方針なのでどちらでもいいと思うのですが、このタイミングで次々と参入するブランドが出てきてるところに節操の無さを感じます。
◯企業の社会的責任
CSR(企業の社会的責任)という言葉がありまして、この言葉の意味としては、
社会の公器である企業は、環境に対する配慮や社会貢献をすべき責任がある
というものです。しかしこれには純粋に社会貢献する事以外にも企業の思惑があるのです。
◯CSRは誰の為?
では何の為にこの「ファー禁止」を掲げるのか?CSRってもちろん社会の為ではあるのですが、それ自体が企業のブランディングになるからです。「お金儲けの為じゃない」と行動する事が、結果一番儲かるんだ某企業の社長さんが言っておられましたがその通りではないかと。
グッチにしろ、今回のヴェルサーチにしろトレンドに乗っかった感じなのは見ていて「今更…」という感想しかありません。この運動の代表格である、デザイナーのステラマッカートニーが過去から動物愛護を唱え続けていて、自身もベジタリアンであるという事は業界でも有名な話ですが、では何故以前からこういった行動に出ず、ブームとなった今参入してくるのか?そして本当に環境への配慮や社会貢献を実現しようと思ったら「ファー廃止」だけで可能な訳がありません。結局はこうする事が商売上、有利に働くからにしか見えず、ファー禁止というワードが茶番化しているように思えてなりません。