ネット通販が価格競争を激化させる

洋服のネット通販がすごく好きというわけではないですが、最近はチラホラと利用してみています。
夜中とか早朝とか電車の移動時間中に買えるところが便利だと思います。

アパレル業界ではネット通販こそ活路みたいな感じで猫も杓子もネット通販を語っていますが、果たして本当にそうでしょうか。

使ってみれば使ってみるほど、ネット通販は価格競争しか差別化の手段がないと思えます。

例えば、ガンダムのプラモデルを買う場合、Amazonと価格コムを見比べます。
それで一番価格の安いところで買います。

もちろん送料が無料になるのかどうかも大きなポイントです。

ですから、当方が買うのは、価格の値引きが一番大きくて送料無料のところということになります。

Amazonで買う場合が多いのですが、Amazonよりも安い価格のサイトが出てくる場合もあります。
ガンプラの場合、駿河屋というサイトでもときどき買います。
これはAmazonよりも安売りしている場合です。

最大で割引率40%以上で買うことも少なからずあります。

Amazonはプライム会員に入っていないと2000円未満では送料がかかりますが、駿河屋は1300円未満で送料がかかります。
1500円に値引きされたガンプラはAmazonでは送料が必要ですが、駿河屋では送料無料になるのです。

ガンプラの箱が汚かったとか、シワが入っていたとかそういうことはないですが、たとえそうであっても当方は安い方で買うでしょう。
なぜなら、当方が欲しいのは「綺麗な箱」ではなく、ガンダムのプラモデルそのものだからです。
箱が汚かろうと中身が無事ならそれで良いのです。

卸売りメーカーの販売する洋服も同じです。
例えばリーバイスやチャンピオンというようなブランド。

これだと欲しい品番を価格コムとAmazonで検索して、一番安いところで買います。

そうそう、今年の春に長女が高校に合格しました。
それで長女にカシオのベビーGをねだられました。
店頭で見ると価格は15000円でした。

高っ

当方が着用しているカシオの腕時計は2つあるのですが、両方とも太陽電池発電で3500円と4500円でした。
2倍以上もするやんけ。

そこで当方は早速ググりました。
Amazonと価格コムです。

どちらも11400円くらいが提示されます。
もうこの時点で店頭の30%オフなので店頭で買う気は消滅しています。

次はネットのどこで買うかです。
価格はAmazonもヨドバシカメラドットコムもヤマダオンラインも同じです。

決め手となったのは保有ポイントでした。
Amazonではよく買う割に超値引き品ばかりなので、当方はAmazonのポイントを持っていませんでした。
一方、ヨドバシカメラは以前に店頭で買い物をした際のポイント1000円が残っていました。
ヤマダは一度も買ったことがないので除外です。

1000円分のポイントを使うため、ヨドバシカメラドットコムで買いました。
1000円引きで10400円ほどになりました。

店頭価格からすると30%オフ以上になります。

結局、ネット通販というのは商品が同じならこういう買い方になるのです。

リアル店なら、まだ販売員や店長のファンだから高くても買うという人もいますが、ネットにはそんなファンはいません。

「俺、Amazonのファンだから高くてもAmazonで買うわ」

何ていう人は見たことがありません。

ネット通販は結局値引きの一番大きいところが選ばれるのです。
ネット通販こそ価格競争を激化させるのですが、アホがそろっているアパレル業界はまだそのことに気が付いていない様子です。
気が付いたときにはアパレル業界はもっと低価格化が進行しているでしょうね。

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南 充浩
About 南 充浩 163 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿 【オフィシヤルブログ( http://minamimitsuhiro.info/ )】