衣料品は高価格の理由がわかりにくい商品

衣料品、生地は家電やパソコン、自動車などに比べて極めて分かりにくいと思います。

通常、これらの製品は高額な商品はそれにほぼ比例して性能も向上します。一部に例外はありますが、高性能だから高価格はほぼ等しいといえます。

ですから、消費者は高額な商品を買う意味がわかりやすいのです。

一方、衣料品はどうでしょうか?

高価格ブランドが必ずしも高性能とはいえません。衣料品の性能とはさまざまありますが、吸水速乾性だとか保温性だとか耐久性だとかそういう基準で比べると、かなり劣っている商品も珍しくありません。

衣料品を構成している生地についても同じことがいえます。高価格品≠高性能です。

一番よく分かるのはメンズスーツではないかと思います。

メンズのスーツには10万円以上という高価格品が珍しくありません。いくら低価格化が進んでいるとはいえ、ステイタス性のある高価格品を愛用する人も一定数量存在し続けています。

メンズのスーツは一部の夏物を除いて、ほとんどがウール、もしくは獣毛(羊毛以外の毛)で作られています。

それら素材は上質になればなるほど、長く細い糸になり、その長く細い糸でスーツを構成する生地は織られています。その結果、生地は非常に滑らかで柔らかくなり、場合によっては光沢感も生まれます。

肌触りも良く、見るからに上質感にあふれています。

しかし、そういう生地は極めて耐久性が低いのです。

もう定年された、業界の先輩がこんな昔話をされたことがあります。

「30代ごろ、ボーナスをもらって一念発起して20万円オーバーの高級スーツを買ったことがある。以前から憧れていた高級ブランドだった。生地は柔らかく滑らかで上質感があった。そこで、喜び勇んで着用して会社に行った。次の日もまた同じスーツを着て行った。帰ってきてから見てみると、袖口が擦り切れかけている。これには驚いた」

とのことです。

その理由は、細く長いウールで織られたスーツ地は極めて耐久性が低いからです。ですから本来は、一日着用したら数日休ませてから着用しなくてはなりません。連日着用するとこの先輩のように袖口が擦り切れたり裾が擦り切れたりします。

先輩も

「こういうスーツは何着か持っていて、毎日ローテーションで着まわすのが本当だった。やっぱりそういう生活ができる金持ち向けの商品で、一点豪華主義の庶民向けの商品ではないと思い知ったよ」と笑っておられました。

皮肉なことに耐久性を求めるなら、ポリエステルが高配合されている生地を使用した低価格スーツの方が格段に上です。たぶん、西友あたりの7000円スーツなんて耐久性では群を抜いているのではないかと思います。

これはスーツの例ですが、衣料品にはこういう「高級品」が少なくありません。

耐久性だけでなく、洗濯性やら速乾性やらを考えると、低価格品の方がはるかに「高機能」であることは決して珍しくありません。

こういう部分が衣料品をわかりにくくしているのだと思います。

それを店頭で消費者に説明するのが本来の販売員の仕事ではないかと思います。「希少素材だから」とか「高級素材だから」という通り一遍の説明で済ませていませんか?

 

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南 充浩
About 南 充浩 51 Articles
1970年生まれ。大学卒業後、量販店系衣料品販売チェーン店に入社、97年に繊維業界新聞記者となる。2003年退職後、Tシャツアパレルメーカーの広報、雑誌編集、大型展示会主催会社の営業、ファッション専門学校の広報を経て独立。現在、フリーランスの繊維業界ライター、広報アドバイザーなどを務める。 2010年秋から開始した「繊維業界ブログ」は現在、月間15万PVを集めるまでに読者数が増えた。2010年12月から産地生地販売会「テキスタイル・マルシェ」主催事務局。 日経ビジネスオンライン、東洋経済別冊、週刊エコノミスト、WWD、Senken-h(繊研新聞アッシュ)、モノ批評雑誌月刊monoqlo、などに寄稿

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