MERYトラフィック減少の理由を推測してみた

再開から1年の「MERY」に復活の兆し 19年3月に単月黒字化へ

小学館とディー・エヌ・エー(DeNA)が共同事業として女性向けキュレーションメディア「MERY」を再開させてから2018年11月21日でちょうど1年を迎えた。ブラウザーベースからアプリを軸とした事業へと変革を遂げることで、収益面で徐々に復活の兆しが見え始めている。19年3月の単月黒字も視野に入った。

再開したMERYが1年ちょっとで単月黒字が見えてきたとの事。普段、若者に接する仕事をしていますとこのあたりのトレンドは日々肌で感じているのですが、僕の周りにいる10代にMERYの存在を聞いてもほとんどが知らないという状況です。僕が取ってる統計の母数が少ないというのもありますが(およそ50人程度です。)、以前はこの環境でもMERYを頻繁に見ている若者がたくさんいましたのでどうしても過去と比較すると「若年層へのリーチ落ちた?」という印象しかありません。

 

10代への認知が落ちている?

もっとも、数字だけ見ればMAU(月間利用者数)は最盛期の6分の1以下の300万人、月間PV(ページビュー)も3分の1以下の1億2000万と、以前の規模にはまだ遠い。しかし、記事の作成方法を見直し、広告主の信頼を取り戻したことで広告は満稿状態が続いているという。事業モデルも大きく変えた。

上記抜粋部分からもわかるようにユーザーもトラフィックも過去から格段に下がっている状況。

2015年当時の状況が上記。10代だけで4分の1程度います。当時の10代は今、20代になっている人も多くいるでしょうし、新規で10代のユーザーを獲得できていなくて、ここの母数が一気に減ったと推測します。ユーザーの可処分時間の奪い合いで言うとファッション関連だけがライバルでも無いかとは思いますので、若者に「ファッション系メディアで何を見ているか」とヒアリングしても明確な回答がありません。Instagramでカバーできる範囲(コーディネート、美容情報など)もあるでしょうし、好きなwebも細分化されています。何だったらレシピ動画とかの方が人気高いですね。余談ですがDELISH KITCHENとクラシルはどの世代にヒアリングしても結構な割合で見られてます。

【ユーザー数は激減】MERY読者はどこに行ったのか?どれくらい戻ってきたのか?

2018年初旬ですがこちらの記事にもあるように、特別どこかのファッションメディアが取って代わったというより、きれいに分散しているという状況は続いているようです。

 

メディアの運営手法は変わったのか?

ファッション系メディアとして始まったはずなのに、今じゃ恋愛ネタや下世話な話ばかり発信するようになってしまったメディアも少なからずあり、トラフィックあげようと思うとそうならざるを得ないのかな…と思ったりするのですが、MERYは今のところ健全に運営されているようです。

メインはやはりファッション・美容系コンテンツ。

LINE@もこまめに投稿されていますし、

Instagramも世界観が統一されていてわかりやすいです。ただ、MERYって過去の施策ではヘアスタイルだけのInstagramアカウントを運用したり、発刊数限定にして紙媒体を発売したり(しかもアプリとめっちゃ連動している内容)メディア運営の先端走ってた印象あります。それと比較すると堅実に運営はされていますが、ソーシャルで拡散されるような施策はあまり無い様子。10代のユーザーを積極的に獲得する方針が社内に無いのかもしれませんね。YouTubeとかtiktokとか若年層に強いツールを強化するという気配も特にありませんし。

広告商品はすべて予約型のタイアップ広告のみ受け付けており、ネットワーク系の広告は導入していないという。

アプリのファーストビューに広告を12時間限定で表示して誘導する記事広告は、5万PV保証で260万円で販売している。トラフィック型からブランド型へと販売する商品を切り替えることで、PVの単価は倍以上になったという。「広告枠も12月までは満稿状態が続いている」とMERYの青木秀樹広告ビジネス部長は明かす。 18年11月からは動画広告の販売も始めた。こちらはアプリのファーストビューに動画広告を表示する広告商品を40万回再生保証で制作費込み400万円で販売している。

上記からもマネタイズ手法が確立され、これが原因で黒字化が見えてきているようですが、更なるトラフィックを獲得するには若年層へのリーチが課題ではないかと思う次第です。

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深地雅也
About 深地雅也 155 Articles
株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。