ファッション業界活性化の鍵は「販売員育成」にある

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「何故若者がファッション業界を目指さなくなったのか?」

 

某ファッションメディアで連載されているお題です。

そしてこのお題が語られる時に「販売員」にはほとんどフォーカスされません。しかし、ファッション業界の現状を見てみますと、求人の9割が販売員です。企業人事担当者と話をしていても「優秀な販売員以外欲しくない」というのが実態です。

 

つまり、

「ファッション業界を目指さなくなった」は

「販売員を目指さなくなった」

とほとんど同義だと考えています。

 

販売員を目指さなくなったその理由として、一番に挙げられるのは、「労働環境」と「給与水準」。簡単に言い換えると「割に合わない仕事」だからです。割に合わなければ、知的レベルの高い人材はファッション業界を目指さず、給与水準の高い業界を選択します。そしてそこからこぼれた人材がファッション業界にやってきて、離職し、慢性的に人手不足に陥るのです。この悪循環が常に回っているのがファッション業界の現状と言えるでしょう。

 

ファッション教育機関の大罪

本来であればファッション教育機関がしっかりとした販売員教育を施し、即座に現場に対応できる強い人材育成をすればいいのですが、まともな販売員教育をしている教育機関などほとんどありません。何故なら、「販売員を育てます」はキャッチーでないからです。それよりも「デザイナー」や「スタイリスト」、「バイヤー」などの職種の方が学生に夢を見させられます。それらの職種の求人が新卒ではほとんどゼロに近い事を知らずに入学し、幻滅する学生を今まで何人も見てきました。(スタイリストアシスタントは別ですが。)

そうは言っても学生は就職しなければなりません。そして、企業は現在「社内公募制」を敷いていますから、販売員の先に本部に昇格できると謳っています。販売員教育が不十分のまま、「通過点」という認識で就職した学生はそのまま現場に対応できず、離職していくのです。

更に、大手アパレルは多店舗展開をして売上を伸ばしていますから、その分「店長」が必要になります。このような状況の中では満足に育ってもいない人材を店長にせざるを得ず、マネジメントも不十分なので余計に人が育ちにくい環境なのです。

 

解決手段は「スキル向上」と「マネタイズ」

「販売スキルを向上させる場」とそのスキルを持って「キャリアアップしお金に変えていく手法」を知る必要があります。この二つを実現する場として、この「Topseller.style」は発足しています。

既に販売という領域でスキルを向上させ、マネタイズに成功しているTopsellerが集い、業界の人材育成の環境改善をし、販売員でもキャリアプランが立てれる、若者が目指したいと思える職業にしていきたいのです。それこそが、ファッション業界が活性化する鍵となります。18歳になれば誰でも簡単になれる仕事じゃなく、あなたにしか出来ない「販売」という仕事を作り上げていきましょう。

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深地雅也
About 深地雅也 155 Articles
株式会社StylePicks CEO。コンテンツマーケティングをメインに、ECサイト構築・運用・コンサルティング、ブランディング戦略立案、オウンドメディア構築、販促企画などをやってます。最近はODM・OEMメーカーのブランド設立支援、IT企業のアドバイザー、服飾専門学校講師、ライター業なども手がけてます。